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高校三年生の

5月8日、火曜日

天気は、雨

この日が、私の人生の転機だった。


学校が終わり、確認したメールには

陣平先輩からの「わり、今日行けなくなった」の一言だった。


「山本Aですね」

校門からすぐのところに停まっていた黒塗りのセダン。

怪しい車だな、と思いながらも横を通ろうとした時突然名前を呼ばれた。

「...そうですけど」

全身真っ黒な服装に、サングラス、真っ黒な傘。

見るからに怪しい男性に声をかけられ私は立ち止まり、距離をとった。

「俺は君のご両親の元で働いてた者です」

その言葉に、一気に逃げ出そうかと思うくらいの殺気を感じた。

実際には、逃げ出すことを許さないというほどの殺気。

「...働いてた??」

なぜ過去形なのだろうか。

彼が親の部下をやめたのか、それとも...

そこまで考えて目の前の男に思考を遮られた。

「俺の任務は、君をとある場所に連れて行くことです」
「拒否権は」
「ないですね」

そういって小さく動いた彼の右手を見れば、サプレッサーのついた拳銃だった。

学校の近くということもあり、人通りは多いけど皆学生。

それに雨も強く全員が傘をさしているし、雨音でほぼ何も聞こえないだろう。


私は静かにうなづくと、彼は後部座席の扉を開けたので私は無言でそのまま乗り込んだ。

彼が運転席に乗り込むと、車は静かに動き出した。

車内には、彼と私しかいなくて雨の音しか聞こえない。


街中に向かって走り出したこの車。

雨がぶつかる窓を見ながら、この後何が起こるのか予想を立ててシュミレーションをした。

そうでもしないと、私は死んでしまう気がした。

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作者名:あおいろ | 作成日時:2019年11月17日 1時

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