【歌い手】眠いから、僕は世界に馴染めない【男主】

かなさん ページ16

そらるside


まぁ、後のことは大体わかると思うんだけどさ。

警備員の人に連行されて行ったよ。
俺が。
Aも連れて行こうとはしたんだけど、寝てるし、意味ない気がしたから、車に置いてきた。
え、免許持ってたのかって？((
失礼な、持ってるよ。


あの2人組はただAのことを女だと思って近づいたらしい。
んで、見事に返り討ちにあったと。
あいつ舐めてかかると死ぬぞ。


あいつ、女に見られるの極端に嫌がるからな。
これも、俺があいつをまふとかに会わせたくない理由の１つ。

初対面から間違えられたらあいつまふにも飛びかかりそうだから。
自分が女顔って気づいてないのか((


まぁ、あの大衆の中で耐えた俺を誰か褒めてほしい((


暴力について注意されたし、それからは帰ろうと思っても変な目で見られるし。
マジでA一回説教しよう。



「ったく、人の気も知らないで寝やがって…」

後部座席で寝息を立てる同居人に、ため息をつく。
起きる気配がないのを見て、こりゃ4日は起きないなと確信する。
同居を始めてから5年。
そろそろこいつのことが分かってきた。

座席から身を乗り出して、Aの頰に軽くキスをする。
少し赤みがかった頰は美味しそうで、食べたかったけど我慢した。
えらいよかなさん((

ただ寝続ける同居人に微笑んで、もう一度キスを。


「おやすみ、A」


呼応する声はなかったが、何故かAが笑ったように感じた。

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