もしものおはなし。【d!】 (ページ10)

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『あえ？』

驚きすぎて凄く情けない声が出た。目の前のイケメンはそれを聞いてかイヒヒ、と独特な笑い方で笑っている。あえ？ってなんだあえ？って。もっと可愛らしい驚き方あるでしょ。

「んふ♡やっぱりAは可愛ええなあ…」

見渡した感じここは私の部屋みたい。でもなんでこんな知らない男の人がいるの？
しかもなんか全裸だし。

『あの、誰ですか？』

なんとか絞り出した声で聞くと目の前のイケメンはハッとした様な顔をしたかと思うとなんというか、えっちな顔をした。

「お、おれはインキュバスのゾム！こ、ここはAの夢の中で、服は俺がぬがせた！」

『なんで脱がせたんですかね』

や、やって、おれインキュバスやし！と少し頬を赤らめていう、イケメン改めゾムさん。なんか恥ずかしそうにしてるけどなんで恥ずかしがるのか分からない。恥ずかしいのは私のほう。

zm「昨日の夜外飛んでたらAのこと見つけてたんやけど昨日はAが寝なかったからセックスできひんかったから、今日は沢山しような！明日休みやし」

そう言ってゾムさんは私に覆いかぶさった。いやいや私セックスするなんて一言も言ってない！退いて欲しくて手足をバタバタさせてみるけど退いてくれそうにない。

『やだ、ゾムさん退いて』

zm「え？むり。お、俺めちゃくちゃ腹減ってるし。それにAもむらむらしてるやろ？さっきオナニーしてたやん！」

なんで知ってんだ？と不思議に思ったけどそういえばここは私の夢だった。あれか、むらむらしすぎてこんな夢を見てるのか。それなら納得。
これが夢ならいっそこの人とそういうことしてもいいんじゃない？こんなえっちな夢見ることそうそうないし。

zm「も、もうええよな？食べるで」

『はい』

zm「ふーん。やけにあっさりやな。まあええか」

一旦吹っ切れればもうなんのことはない。

目を瞑るとゾムさんの唇が私の唇に触れる。ゾムさんの柔らかい唇がふにふにと私の下唇を食べてる。なにこれえっちい。ちゅーなんてしたことないからあまりにリアルすぎるこの夢に何だか目眩がしてきた。

何度も何度も角度を変えて私の唇を食べるゾムさん。段々と苦しくなってきて息を吸おうと口を開くとぬるりと暖かいゾムさんの舌が入ってきて口内を乱す。

『ん、…ぅ…ぁ、…』

いよいよ本当に苦しくなってゾムさんの胸板を叩くと彼の顔が離れていった気がして、ゆっくりと目を開けると蕩けたペリドットの瞳と目が合った。