もしものおはなし。【d!】 (ページ7)

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理由･kn ページ7

短い

ひたり、と私の頬にシッマの汗が落ちた。

『ぁ、ン…ふ、♡しっま、♡』

苦しそうなシッマの首に手を伸ばして抱き寄せるとシッマの荒い息が首筋を擽る。
それがなんとも愛おしくなってキスをしようとするとさりげなく避けられた。

おかしなことにえっちをしてる時のシッマはいつもこう。私がキスをしようとすると避けるし、シッマからキスをしてくることなんてほとんどない。

普段生活してる時…たとえば寝る前とかにキスしてくることもあるし、私がねだればしてくれるのにえっちのときは頑なにしてくれない。
なんでなんだろう。えっちしてるときほどキスしたくなるもんだと思ってたんだけど。

kn「く、ふｯ…」

『う”、♡しっま、♡…ん…ｯ♡』

シッマにぐっと腰を持ち上げられて、より一層深いところにシッマの先っぽが当たる。

何回かばちゅ♡ばちゅ♡と奥に打ち付けたかと思うとびゅるるるっと勢いよくあっつい精液が子宮口の近くに流れ込んできた。それと同時に私の体も強ばって頭の中が真っ白になっていく。シッマは私の隣に倒れ込んで来て私は荒くなった息を落ち着かせて、シッマの方に向き直った。

『しっま、きすして』

kn「ん」

ちゅ、と唇が押し付けられて下唇をぺろりと舐められた。軽く口を開くとぬるりとシッマの舌が口内にやってきてそれを迎えるように舌を絡める。
しばらくしてお互いの顔が離れてから、シッマの顔色を伺ってみたけど別に不機嫌でも上機嫌でもなくていつもの表情だった。

『ねえしっま。』

kn「おん？」

『なんでえっちしてる時にきすしてくんないの？』

別にしてくれない事に不満を抱いてるわけじゃないけど。純粋に気になるだけ。
私がずっと前から疑問に思ってたことに対してシッマはなんてことない、と言ったような顔で答えた。

kn「そりゃお前の声が聞けへんからに決まっとるやろ」

『声？』

kn「A、声小さいやろ。それなのにキスしたらもっと声が聞こえんようになる」

『…もし私の声が大きくなったらしてくれるの？』

kn「どうやろな。まあお前は今のまんまでええで。間違っても無理やり声出そうとしたりすんなよ」

まるでシッマは私の考えてることなんてお見通しだとでもいうように言う。何でそうしようとしたことバレてんだ。

kn「あれや。お前のちっさいその、喘ぎ声が好きやから」

こんどからはキスしたるから。そう言って少し照れるシッマにぎゅっと抱きつくと頭を撫でられた。

fin