夜のとばりが落ちる頃。

＊５＊ ページ29

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頭の上で、ビュンッという風を切る音がした。
それと共に、地面が揺れた。
視線を横にずらすと、隣で男がうずくまっていた。
俺の頭の上にさっと影が差した。

「……？」

そうっと上を見上げて立ち上がると、目の前には見知らぬ女がいた。どこか凛とした感じのある、華奢(きゃしゃ)なひとだった。
男が突然、むくりと起き上がり、女に襲いかかった。女は珍しい物でも見るように、男を見つめた。

「まだ投げられたいのかしら。何度やっても無駄よ」

女の凛とした声が響くとともに、男が宙をまった。通常、背負い投げと呼ばれるものだろうが、体が百数センチ浮いて、減速もされずに地面に叩きつける技は、もはや背負い投げとは言えない。

男は今度こそ気絶したようだ。
すみれを捕まえている男の赤い顔が僅かに青ざめた。すみれを解放し、逃げ出したはずだが＿＿逃げられなかった。さっきの男の二の舞となっただけだった。
女は俺に今気づいたような顔をしていた。花が咲くように笑った。

「私の名前は加古川しろね。実音君、よろしくね」
「私はすみれ！しろねは私の妹だよ！」

俺の頭は大量の疑問符で一杯になった。

「はぁ……？」

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今日のラッキーキャラ

濡女 この子の正体は、作者しかわかってないんだ！(まだあやふやだけど)みんなも考えてみてね！

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