【鬼滅の刃】がらんどう〈男主・鏡柱〉

１３話 ページ15

『＿＿＿＿う、あ』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


その優しさに負けてしまうのは


どうしてなのだろうか。


いつでもしのぶは俺の心なんてお見通しなのだろう。


笑顔のまま流れるはずのない涙が頬をつたう。


心の中の淀みが全て口から出てしまう。


『もう刀を握りたくない』


し「＿＿＿そうですね」


『姉のふりなんてもう疲れた』


し「・・・そうですね」


『もう何も殺したくない』


し「・・・そう、ですね」


しのぶの目の前でぐすぐすと泣いていると、


ふうと息を吐いて口にする


し「そういうことは私じゃなくて、


あの人に言うべきなんじゃないですか？」


『そ、れは・・・』


言葉が詰まる。


(あの人は僕のことなんか。


僕より姉の方が・・・)


言葉に詰まる様子を見て、


しのぶは冗談、という感じで


し「まあ、無理にとは言いませんけど」


と言った。


しのぶの前では敵わない。


本来の『泣き虫の僕』になってしまう。


(でも、今だけは)


今だけは、しのぶの優しさに


少しぐらいは縋りたい。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿

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