いいことあるといいね tn ページ29
「…なぁ、A。その痣どないしたん？」
逢魔が時の橙色の日差しがAの横顔を照らす。目に眩しい其れはぬらぬらと辺りを血塗れに塗り替えていく。思わず目を細めるも依然眩しいままで、ほんの少し顔を伏せた
「…なんでもない」
端的に答える声も烏にかき消される。
安っぽい声を上げてAの凛とした音色をかき消す。お陰で彼の表情は僅かに陰を帯びた。
烏、とは言ったがまぁ残念其れは人間の形をしているからタチが悪い。彼が話しかけているのは想い人であるAであるのにも関わらず、答えたのは醜い烏であった。
「そんな、私は命令されたから…」
Aにとっては訳の分からないことを、トントンにとっては隠しておきたい事実を甲高い鳴き声と共に暴露しようとする。
どうしたものかと彼は小さくため息をついた。烏と人間ならば、人間の方が信じてもらえるに決まっている。どこまでアホなんやろか。まぁ鳥頭やししゃーないか。
彼は憐憫の笑みを口の端に浮かべる。
「…A。コイツにやられたんか？」
穏やかに聞いたつもりだったが彼女の細い肩はびく、と動いた。小動物の様で愛らしく、守ってやりたくなるその仕草に優しく背に手を回した。
「大丈夫。大丈夫やで。…Aの為に今から目の前で殺したるから」
「…えっ、？」
驚いたのはAだけではない。烏も恐怖に目を見開きなんとか逃げ出そうとした。いくら鳥とはいえ、命の危険は察知できる程度には賢いようだ。
彼は無駄な抵抗を鼻で笑うと隠し持っていたナイフを躊躇なく腹に突き立てた。窓の外に広がる色と同じ紅が烏を染めあげる。
「…あﾞっ…かﾞ」
僅かに唸り声を絞り出すと床に倒れ込む。トントンは恐怖で立ち尽くしたままのAに優しく微笑みかけた。それはもう平生と変わらぬ、頼れるクラスメイトであった彼らしい微笑みだ。
「…これで、俺とAは共犯やな。まぁAがこの事誰かに話してもだぁれも信じひんと思うけどな」
そう語る彼は夕焼けに染まっているのもあり狂気じみていた。安っぽいナイフを片手に微笑む完璧な優等生は、たった一人の劣等生の為に全てを犠牲にしたのだ。
その狂気の根源は愛情か
分からないままAは彼の想いを受け止めるしかなかった
I wonder where you have gone ht→←さようなら、私の愛おしい貴女 em
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蕎麦飯うどん - 今日初めてこの小説を拝見したんですけど...見事に性癖を貫かれましたね...！！そんで持ちましてリクエストさせていただきます！niさん（無理でしたらciくん）で、自分がしていることに対して罪悪感があるタイプのヤンデレで是非お願いします！ (6月17日 23時) (
レス) id: f3cf3c5406 (このIDを非表示/違反報告)
emさん推し - ぽまえは私を天国へ召そうとしているのか？？ (2022年11月19日 9時) (レス) @page28 id: fd4958919c (このIDを非表示/違反報告)
シュネー(プロフ) - emさ……好き……(昇天) (2022年10月28日 18時) (レス) @page28 id: b73e805f4c (このIDを非表示/違反報告)
あかつき(プロフ) - シュネーさん» emさんで洗脳系了解です！krr先生は難しかった…💦 (2022年7月23日 23時) (レス) id: 46f259f9c3 (このIDを非表示/違反報告)
あかつき(プロフ) - 主野さん» ホラー系等のヤンデレも入れたいですね…(遠い目) (2022年7月23日 23時) (レス) @page23 id: 46f259f9c3 (このIDを非表示/違反報告)
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