男前2 ページ5
暫く他愛もない会話をした後に、カフェを後にする。
お代は河村さんが持ってくれた。何から何まで本当に申し訳ない。
「よし。じゃあ行こうか。地図貸してもらって良い？」
「どうぞ。」
河村さんが差し出す手に、携帯からコピーした地図を載せる。
「ここなら僕の行動範囲の中だからよくわかるよ。安心してね。」
凄く優しげな笑みを浮かべて河村さんが歩きだす。
その後ろをついていく私は心中穏やかではない。
本当にこんな格好いい人と私が並んでいて良いのだろうか。いや、こんな不毛な事を考えていても仕方ない。今は河村さんの案内を覚えて、これから先こういう風に人に迷惑をかけないようにしなければ。
「よしっ。」
気合いを入れるとつい声が出てしまった。前を歩いていた河村さんが振り返って不思議そうな顔をする。
「え？何か良い事あった？」
「あ、いやあ。その、ははは。何でもないでーす。」
独り言を呟く様な危ない人に思われたらこれから先の一日が気まずくなりそうなので、苦しいながらも誤魔化す。
河村さんはまだ不思議そうな顔をしていたが、はっとした顔をして私の隣に並ぶ。
「僕がずっと雛森さんの前を歩いていたら、雛森さんも気まずいし、もし逸れたりしても気づけないよね。」
ごめんごめんと言いながら河村さんが私と歩調を合わせてくれる。
違う。さっきの独り言の意味とは圧倒的に違う。けれど余りにもかっこよく男前な気遣い故に否定も出来ず、申し訳なさと感謝によって、微妙な表情を浮かべる。
「本当にありがとうございます。」
やっと絞り出した言葉はありきたり過ぎて、きっと私の感謝すらも届かないだろうなと思う。
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とうふ(プロフ) - 白黒さん» お待たせしてしまって申し訳ありません！言葉を褒めて頂けて光栄です！本当にありがとうございます！ (2019年3月4日 22時) (
レス) id: be202b2e24 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 連載再開して嬉しいです……！とうふ様の言葉選び一つ一つが大好きです……！ (2019年3月4日 20時) (レス) id: b3eb1b48b3 (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - 白黒さん» 初めまして！とても深くまで読んでくださってありがとうございます！私自身も河村さんを初めて見た時から惹かれたので、そういう風な書き方になっています！ (2019年1月1日 0時) (レス) id: 70e6922578 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 初めまして。河村さん推しなのでとても素敵な作品と出会えて幸せです…！ゆったりとした流れの中にところどころ一目惚れやそういうニュアンスに近いものが混ざっていてドキドキする感覚が大好きです。 (2018年12月31日 21時) (レス) id: b3eb1b48b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とうふ | 作成日時：2018年12月30日 1時
