人助けはほどほどに(mu) ページ31
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めめと別れてどんくらい逃げてるのか、階段を上ったり下ったりと大忙しやわ。
アイツらが足遅いのがせめてもの救いやな。
とりあえずどこかで休みたいと適当にドアを開けたら、「あ"あ"あ"…」てゾンビさんがこんにちはって振り返りよった。
「……やってもうた」
またダッシュで逃げる。とにかく囮の俺らは逃げるのが役目。
「めめぇぇぇっ、はよしてぇぇぇっ!!」
叫べば奴らもくるけど、めめに俺の居場所を教えるのにもちょうどええかなって。
角を曲がったらドンッと何かにぶつかって、「うわっ」て声がしたから良かった。どうやら人間らしい。
ゾンビは呻き声しか出さんからな。
互いにぶつかって尻もちをついて顔を上げれば、ああお前も囮役ねって感じて無言のまま頷き合った。
「早く逃げなきゃあっちいっぱい来ててっ」
「ええっ!? いやこっちもやねん!」
どないしよ!これ挟み撃ち?
悩んでる暇なんてなく直ぐ後ろに奴らの気配を感じて俺達は互いに背中を預けて武器を構える。
俺は逃げる途中に拾った警棒。
後ろの兄ちゃんは、「え、なんで鍋蓋?」謎や。
「ほら噛まれたら駄目じゃん!だから」
「…そうやけど。守りに回るしかないやんそれ」
攻撃もせな、殺られるん待ってるだけになんでな。
そうこうしとるうちに奴らがやってきて、手当り次第に殴っては押し退けやりよるけど、数が多すぎてキリがない。
「うわっ!」と声がして振り返れば兄ちゃんが押し倒されてて、ゾンビの顔をなんとか鍋蓋で防いでる状態やった。
「あーっ!くそがっ!」
殴ってふらついてるゾンビの腹を蹴ってから兄ちゃんのもとへ駆け寄り、背後からゾンビの脳天をカチ割った。
「……ごめんなっ。堪忍してや」
殺らな殺られるんやって、ここに来るまでになんとか自分に言い聞かせてる。
少し前までは同じ人間やったのにな。
「大丈夫か?」
「ありがとう……て、後ろっ!!」
「え…」
まだおったゾンビに襲われかけたけど、間一髪警棒を口に咥えさせて防ぐ。が、危険は回避できたわけやない。
こいつらは足が遅い代わりに物凄い力を手に入れよったんか、押す力が半端なかった。
警棒を押し返しながら膝でゾンビの腹をも押し返すも、奴は俺を噛もうと必死や。
「くっそ……。おいっ、ボケっとしとらんと助け……て、おらんがなっ!!ふざんなや!」
あいつ恩を仇で返すタイプやった。
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ゆきんこ(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます!はい!終わりに向かってます。これからの展開どんな風に受け止めてもらえるか不安も多いのですが決めていた事なので最後まで貫き更新頑張ります!! (2021年8月15日 10時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 終わりに向かっていってるんですね!なぜこんな世界になったのか、、また困った展開も待ってるみたいですね!気になりますっ!!^ ^ (2021年8月15日 2時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 涼菜さん» ありがとうございます!!不定期更新ですがお付き合いしてもらえると嬉しいです(^^)頑張ります! (2021年7月29日 22時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
涼菜(プロフ) - いつも楽しみにしています!これからも更新頑張ってください(*^^*) (2021年7月29日 14時) (レス) id: ec45b950ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます!彼らも前へ進みます(^^) (2021年7月29日 13時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年11月19日 13時