温かいスープ ページ13
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建物はちゃんと形を保ってはいるけど、窓ガラスは割れまくってるし自動ドアのガラスだってボロボロ。
中へ入ればガラス片や机や椅子が壊れ散乱して、とても人が居るようには思えなかった。
岩「どうする?」
阿「もう日が暮れるし、どこか比較的安全そうな部屋を探そう」
そう行って逃げ道を確保しつつ虱潰しに部屋を見て回った。
ギィィとドアを開ける音にすら敏感になってしまう。
「ここって食堂?」
深「だな。食えそうなもんあっかなー?」
調理場の方へ向かうと、意外とそこは荒れていなかった。
宮「多分だけど此処はきっと奴らが現れた時は最前線に動いただろうから、食事どころじゃなかったのかもね」
そうなのかも。だから業務用の大きな冷蔵庫を開けてみればまだ食べられそうな食材が幾つか残ってる。
あ、涎が。
渡「窓も割れてねぇし、ここなら一晩どうにかなんじゃねぇの」
阿「そうだね。 念の為机や椅子でバリケード作っておこうか」
佐「そうなりゃさっさとやろうぜ! んで、涼太はなんか飯作ってよ!」
なんでさっくんが彼にそう言ったのか、そしてその言われた彼が嬉しそうに微笑んだ意味も後に分かることになる。
「うわぁ、まともな料理久しぶりかも」
目の前には火の通ったちゃんとした料理というものが並んでいる。
机は全てバリケードに使ってしまって、残念なことに床に並べられているけど。
ラ「ガス通ってたんですか?」
宮「うん。荒れた感じがなかったから、もしかしたらと思ってたらいけたよ」
渡「おい、つうことはシャワーとかいけんじゃね?」
阿「かもしれないね。建物が崩壊してる地域は電気もガスも駄目だけど、比較的荒れてない場所は大丈夫ってことか」
シャワーと聞いて、やはりみんなソワソワしだす。
そりゃあ数日入ってない上に、海水の中を泳いでカピカピだもん。お風呂入りたい。
岩「とりあえず先に食おう。な?」
一番ソワソワしていたの多分私なんだろう。
温かいスープの入った器を私に差し出して、ククッと目尻に皺を寄せたひーくんが「後で捜してやるからな」って。
「……はふぅ、温まる」
宮「ふふ、みんな冷えてるもんね。まだいっぱいあるからゆっくり食べて」
「ありがとうございます。 あ、そういえばまだ自己紹介が。私、Aって言います」
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ゆきんこ(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます!はい!終わりに向かってます。これからの展開どんな風に受け止めてもらえるか不安も多いのですが決めていた事なので最後まで貫き更新頑張ります!! (2021年8月15日 10時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 終わりに向かっていってるんですね!なぜこんな世界になったのか、、また困った展開も待ってるみたいですね!気になりますっ!!^ ^ (2021年8月15日 2時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 涼菜さん» ありがとうございます!!不定期更新ですがお付き合いしてもらえると嬉しいです(^^)頑張ります! (2021年7月29日 22時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
涼菜(プロフ) - いつも楽しみにしています!これからも更新頑張ってください(*^^*) (2021年7月29日 14時) (レス) id: ec45b950ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます!彼らも前へ進みます(^^) (2021年7月29日 13時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年11月19日 13時