居なくなる ページ20
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深「んじゃあ、ちょっくら行きますかね」
屋上の柵に跨りロープを手に持って腰に巻き付けたふっかさんは、まるで今から戦場に出向くかのように敬礼をした。
それに応えるように、「健闘を祈る」とさっくんもビシッと敬礼をするから、私と阿部さんは思わず顔を見合わせて笑ってしまった。
阿「こういうのが二人の良いとこなんだよね」
「ふふ、そうですね」
どんなに不安な時でも、この二人は空気を和ませてくれもんね。
よし！と、やる気が起きる。
ふっかさんが壁に足をかければ、ロープの端を結んでいる柱がギシッと音を立てる。
ごくっ、と喉が乾いた。
佐「慎重に行けよ」
深「わーってるよ」
念の為にさっくんと阿部さんは下を覗きながらロープを握り、私もふっかさんが無事に部屋の中へ入れるように見守った。
阿「なんか見つけたっぽいね？」
ふっかさんは三階辺りで止まったと思えば、こちらを見上げて手を振った。
佐「入るっぽいな」
「一階まで下りたんじゃないんだ」
阿「そう見せ掛けて、なのかもね。ほらこんな夜に外に出るのは得策と思えないし。ラウールは頭の良い子だから、裏をかくはずだよ」
佐「やっぱり行くっぽい」
下を覗き込んださっくんの足が浮いて、隣に居た阿部さんが咄嗟にベルトを掴んでた。
危ない危ない、と笑うさっくんに「こら」と注意している。
次に行くのはさっくんだけど、まず周辺の様子をふっかさんが見る事になっていて、合図が来てから下りる手筈。
五分、十分………あれ？
阿「合図がない。もう十五分経った。どうする佐久間？」
「ふっかさん…」
心臓がドクドクと煩くなっていく。なにかあったんだろうかって。
次に行く予定のさっくんはジッと先を見つめ、うんと一回頷いて「行くわ」と。
「え、本当に行くの？」
佐「ああ、此処に居てもしゃーねぇし。ふっかに何かあったら尚更行かねぇと」
阿「まあ、そうだよね。佐久間ならそう言うと思ってたけど。じゃあ、予定通りで行くよ？」
佐「よろしく〜」
躊躇うことなく下りていく、ふっかさんが入った部屋にも躊躇なく。
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ゆきんこ(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます！はい！終わりに向かってます。これからの展開どんな風に受け止めてもらえるか不安も多いのですが決めていた事なので最後まで貫き更新頑張ります！！ (2021年8月15日 10時) (
レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 終わりに向かっていってるんですね！なぜこんな世界になったのか、、また困った展開も待ってるみたいですね！気になりますっ！！^ ^ (2021年8月15日 2時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 涼菜さん» ありがとうございます！！不定期更新ですがお付き合いしてもらえると嬉しいです(^^)頑張ります！ (2021年7月29日 22時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
涼菜(プロフ) - いつも楽しみにしています！これからも更新頑張ってください(*^^*) (2021年7月29日 14時) (レス) id: ec45b950ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます！彼らも前へ進みます(^^) (2021年7月29日 13時) (レス) id: 6bfa312962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年11月19日 13時
