Forest of the kaleidoscope4

純粋な家族 ページ41

JB視点

検査結果が出るまでは森に帰れない。駅から少し離れた場所にあるホテルに行くと、すでにユギョムがチェックインしていた。念のためチェ一族とは関係のない安ホテルだ
YG「兄さん達久しぶり！！……あらら」
ヨンジェがそのままバスルームに駆け込んだ。ここに来るまでですっかり体調を崩したのだ
Jr「ヨンジェは“森の子”になってから初めてソウルに戻って来たからね。ヨンジェの“才能”じゃきついだろうね」
一族の“才能”は森を離れれている期間が長ければ長いほど弱まるが、森のものを口にするか、ハルコがくれたような森の木でできたものを身につけていればそれを遅らせることが出来ると言われている。今はまだ“才能”が弱まっていない。都会の音や匂いが容赦なく感覚を刺激するし、ヨンジェの場合それはなおさらだ
YG「ヨンジェ兄さんが言ってたその研究者、2〜3日つけてみたよ。だいたい自宅と喫茶店と研究所の往復だね。接触するなら喫茶店かな」
「まぁヨンジェが回復してからになるな。治癒も効かん」
要は感覚が過敏になっているだけだから、ジニョンの治癒は効果がない。干し果物で元気づけようにも、余計感覚を研ぎ澄ませるだけだ。時間を置いて慣れさせるしかない
Jr「おいでヨンジェ、寝たらよくなるよ」
YJ「……気持ち悪い」
YG「俺は同化しきらないうちに森出たから、そんなに酷くなかったんだ。それでも都会のもの食べてると力が出ない」
Jr「体が森に慣れちゃってるからね。だからハルコさんも森を出られないんだ」
森で長いハルコやマーク、一族の血を引く俺は特に都会に馴染みにくい。一度新婚旅行のつもりでハルコと2人都会に来たことがあるが、ハルコはすっかり衰弱してしまった。今思うと彼女の方が俺より一族の血が濃いのだから、当然かもしれない
俺とヨンジェの関係は変わっていない。相変わらず親子のような、兄弟のような関係だが、実際に俺達は兄弟だった。だが腹違いの兄弟だとというややこしい関係より、今の方が余程シンプルかもしれない
財閥が俺に目をつけているのは、俺が脱漏相続人だからだ。消したい、もしくは利用したい連中は多いだろう。そのせいで森が危険にさらされたらたまったものじゃない
いっそこの後の検査で、これまでの推理が全て間違いだったと証明されてほしい。ヨンジェは大事な家族だが、その間に財閥なんてものを持ち込みたくない

俺達“森の子”は、純粋に、互いの意思で結ばれた家族でなくてはならないのだ

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