Forest of the kaleidoscope4

行ったり来たり ページ37

Jr視点

MK「お酒の力を借りた郁に襲われたのが初めてかな」
「兄さんに助言求めた俺が馬鹿でした」
寝る前に、暖炉の前でまどろむマーク兄さんに恥を忍んで聞いた結果がこれだ。だが兄さんは笑うでもなく真面目に答えているようだ
MK「変に取り繕うからいけないんだよ。財閥のごたごた片付くの待ってたらプラトニックなまま10年くらいたつよ」
「怖い事言わないでよ」
MK「ヨンジェが子供だとかさ、それ言ったら郁だって子供だし。さすがにヨンジェみたいに背中にランドセルの幻影は見えないけど、怒って腕ぶんぶん振り回しながら泣く大人なんて見たことないからね、郁以外で」
「見てるこっちはなかなか居た堪れないけどね」
MK「まどろっこしいんだよ、見てると。さっさと押し倒せ」
「冗談じゃないよ！！」
最初はジェボム兄さんに助言を求めようと思ったが、ヨンジェ溺愛の彼に聞こうとするのが間違いだった。今からわざわざ部屋を取り替えたりしたら、まるでそのためにしたようではないか
「……」
MK「攻めあぐねてるなぁ。お前難しく考えすぎだよ。ヨンジェ一応成人してるし、まったくそういう心理が理解出来ないわけじゃないと思うよ。それにさ…いつまで森がお前のために空気を呼んでくれるかわかんないんだよ」
「森が空気を読むのをやめたら泉に身を投げるよ俺」
MK「ハルコは薄々勘付いて面白がってるしな。心配するな。ハルコはハルモニに似て、第六感がなくても勘がいい。ヨンジェとは大違いだな」
マーク兄さんが羨ましい。最初微妙な齟齬があったとはいえ(その祖語も郁兄さんの電波が吹っ飛ばしてしまった)、すぐに意向のすり合わせが叶っている。こっちはそうもいかない
「何でだろう……ヨンジェは俺の3分の1も悩んでない気がする」
MK「んーそれはどうだろう。意外とそこまで子供じゃなかったりしてね」
兄さんは適当を言ったわけでもなさそうだ
MK「ヨンジェが子供っぽいのはさ、俺達があいつを子供みたいに扱うからだよ。ジェボムはヨンジェを溺愛してるし、誰もあいつに大人になれなんて言わない。逆に言えばさ、たぶん大人になれって言ったらなっちゃうと思うんだよ、あの子」
実家では常に財閥の後継者として扱われていた。彼を子供として可愛がっていたのはタンさんと駄菓子屋の主人だけだ
MK「バランスが悪いよね。普通は子供から、子供でも大人でもない時期を経て大人になってく。それなのにヨンジェは大人と子供を行ったり来たりだ」

作者より、お詫びとお知らせ→←武器と爆弾

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