知っててほしくないこと ページ34
ドヨン視点
傷付かないわけがなかった。マノは組織から組織へ何度か転売されている。そのたびに飼い主に期待し裏切られてきた。マノにとって今回の騒動は過去の転売を思い出させたらしい
「ジャニ兄、アイス持って来て」
JN「え…でも」
「いいから。ジェヒョンが作ったのが冷凍庫にある」
ヒョンはマノから離れることに顔を顰めたし、マノも不安そうな顔を浮かべた。だが俺がマノと2人で話したいのだと気付いたのか、ジャニ兄は黙って服を着て、プールの部屋を出て行った
「マノ」
〈…んー〉
「ジャニ兄の枕元に鱗を置いたのはわざとだな？」
血塗れの鱗は今でもヒョンのトラウマになっている。自分の想いを押し殺し、ハンソル兄と決別したのもそのせいだ
〈……ヒョンが羨ましいって言ってた〉
「誰が？」
〈知らない人。僕を救出する任務でヒョンと一緒だったんだって。自分も一緒だったのに僕の鱗をヒョンが独り占めしてるって言ってた。ヒョンが僕のパパになったのはミミさんがヒョンにご褒美をあげたんだって〉
―――安心しろよ、あいつは優しい飼い主になるさ
―――戦闘員を辞めたくなるのもわかる。金には困らないしな
その時マノはジャニ兄がどんな人間かを知らなかった。優しくしてくれる。決してぶたない。本当にそれだけなのか確かめる方法はひとつしかない
〈ヒョンを泣かせるつもりはなかったよ。あんなふうに傷付くなんて思わなかった。ただいらないっていうとか、その程度だと…〉
「わかってるよ。お前はただ怖かっただけだ。そうだろ？」
〈ヒョンには言わないで、嫌われちゃう……試したなんて知られたくない〉
「言わないよ。だからアイス取りに行ってもらったんだ」
血塗れの鱗を握り締め、自分の手も傷付けながら泣いていた。ヒョンが泣いたのはマノが不憫だからじゃない。マノが好きだからだ。純粋に守ってやれない自分を自覚していたからだ
〈……僕は皆が思うほど子供じゃないし、いい子じゃないよ。夢っ子たちとは違うんだ。僕は人間じゃないから〉
「お前は人間だし、お前が自分で思ってるよりずっと子供だよ」
〈違うよ、そりゃ僕は文字が読めないし学校にも行ってないけど、組織でいろんなこと見たり聞いたりしたんだ。ヒョン達が僕に“知っててほしくないこと”だって知ってる〉
マノは俺の腕に縋りつくようにして言った
〈本当は知ってるんだよ……テイル兄が僕を嫌う理由〉
「嫌うって…」
〈ヒョンは僕が嫌いなんだ。僕のせいでハンソル兄が出てっちゃったから〉
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くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» どよちの春はだいぶ先かな〜www (2022年5月3日 16時) (
レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - こあらさん» ありがとうございます！！！ (2022年5月3日 16時) (レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
akkoro(プロフ) - 更新ありがとうございます^_^ ドヨチーっいいヤツだわ やっぱり ドヨチも幸せになってほしいです^ ^ (2022年4月19日 0時) (レス) @page1 id: 79727b217b (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - 今回も楽しく読ませていただきました‼︎ (2022年4月15日 19時) (レス) @page44 id: 454ea92083 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» 毎度ありがとうございます(*´∇｀*)96って中間管理職振られることが多いんですかね？(笑)だからか自然とブレインに寄ってる気がします(笑)どよち、複雑だけど人魚くんを親友として大事に思ってるんです… (2022年4月15日 18時) (レス) id: 3c3df00dbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2020年5月31日 6時
