家族という概念 ページ33
ドヨン視点
しばらくするとジャニ兄が戻ってきた。何があったかを話すつもりはないらしいが、目に殺気が宿っているのでだいたいわかる
「マノ、ジャニ兄戻って来たよ」
マノが俺の背中にくっついたままジャニ兄を見上げると、ヒョンの目から殺気が消えうせた。手招きするとマノがヒョンに抱き付く
JN「怖かったな。もう大丈夫だよ」
「ドヨンが、僕はどこにも行かなくていいって。ヒョンと一緒にいられるって」
JN「ん、どこにも行かない。大丈夫だよ。プールに行くか？」
マノはうんうんと頷いて、俺の腕を引っ張った
「ドヨンも」
「俺はいいよ、着替えるのめんどくさいし。ジャニ兄に遊んでもらって」
「…ドヨンもぉ」
声が低くなった。不機嫌のサインだ。ジャニ兄が首を振るので、俺は仕方なく頷いた。マノは遊んで欲しい時に構ってもらえないと、相手が誰でも不機嫌になる。まるっきり子供だ
ほんとはジャニ兄さえいればいいくせに、とついひねくれてしまう
訓練もかねてのつもりで泳いでいると、体勢が崩れた。マノが尻尾で水圧を送って泳ぐのを妨害しているのだ。けらけらと楽しそうに笑っている。無視して泳いでいると何度もちょっかいを出してくるので、俺は方向転換した
〈きゃーっ〉
「…ッ元戦闘員舐めんなぁ！！」
マノの体をがしっと抱えて背負い投げの要領でぽーんと放り投げた。マノは楽しそうだ
〈もう一回やって！！〉
「やだね。自分で飛び込み台からジャンプしろ」
〈けち〉
マノはそのまま潜り、泳ぎ始めた。いつのならもっとねだるのでおかしいと思い、俺も潜ってみて違和感に気付いた。マノが歌っていない。いつもなら楽しそうに歌いながら泳ぐ。俺は水から上がってプールサイドでマノを見ていたジャニ兄に合図した
JN「マノ、おいで」
水面から顔を出してすーっとやってくる。頭をぽんぽんと撫でてじっと目を覗き込む。しばらくそのままでいると、ようやくマノの目から涙が溢れだした
〈…僕、そんなにいらない子なの？〉
家族という概念を持たず、家族でなかったことに落胆しなかった。だが傷付かないわけがない。マノにとって家族とはNCTの皆のように愛情深く互いを想い合うもので、わざわざ親を名乗ってまで手中に入れようとして来た連中が理解出来ないのだろう
可愛い息子を前に泣く親を演じてまで、鱗を手に入れようとした
〈本当のパパとママもあんなふうに気持ち悪いの？〉
JN「…マノ、それは」
〈それとも僕だからなの？僕が……人魚だからなの？〉
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くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» どよちの春はだいぶ先かな〜www (2022年5月3日 16時) (
レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - こあらさん» ありがとうございます！！！ (2022年5月3日 16時) (レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
akkoro(プロフ) - 更新ありがとうございます^_^ ドヨチーっいいヤツだわ やっぱり ドヨチも幸せになってほしいです^ ^ (2022年4月19日 0時) (レス) @page1 id: 79727b217b (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - 今回も楽しく読ませていただきました‼︎ (2022年4月15日 19時) (レス) @page44 id: 454ea92083 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» 毎度ありがとうございます(*´∇｀*)96って中間管理職振られることが多いんですかね？(笑)だからか自然とブレインに寄ってる気がします(笑)どよち、複雑だけど人魚くんを親友として大事に思ってるんです… (2022年4月15日 18時) (レス) id: 3c3df00dbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2020年5月31日 6時
