悲しみと憤り ページ32
ドヨン視点
談話室に行くとマノの周りにチビたちが集まっていた。守りの陣形だ
「マーク、マノと話したい」
マークが笛を吹いて子供達を離してくれたので、その場を任せてマノを連れ出す。目を潤ませ、不安そうに震えている
「大丈夫だよ……マノはどこへも行かない」
「ほんと？」
「連中が偽物だって気付く前から手放すつもりはなかった」
実際はそう簡単な話でもないのだが、マノの不安を取り除いてやりたい
「仮にあの人達が本物で、お前を案じて長年過ごしてきたとしても、そう簡単には引き渡せないんだ。お前はシェルターに保護されてるんだから」
「…どういうこと？」
「お前は時折暴走する。それを押さえる訓練を続ける必要があるし、狙われやすい能力というのは事実だからすぐにここを出られるわけじゃない。今回のことは残念だったけど…」
「ジャニ兄といられるならいいよ。パパもママもここにいる」
マノは血縁による家族の絆を知らない、というより覚えていない。だから本来なら本当の家族がいるかもしれないと知って動揺するところを、マノはNCTにいられるかどうかしか気にしていなかった
今回の事件でジャニ兄や俺も含め、誰もが憤ったし、マノを想って悲しんだ。だがマノは悲しみすら感じることがない。感じたのは戸惑いと不安、恐怖だけだ
「……ドヨンは、あの人達がほんとの親だったらいいと思った？」
否定してほしそうな目をしている。マノにとっては捨てられるような気分なのだろう。マノと出会って友達になってから、ずっと聞きたくて聞けなかったことがある
―――俺はマノの友達？それとも“殴らない飼い主”の仲間？
「わからない。本当の親のことを教えてやりたい気持ちはあるけど、どのみちそう簡単に手放すつもりはなかった。本物じゃないことを祈る気持ちはあったよ」
「…そっか」
ほっとしたような表情のマノに苛立った。世の中は彼が思うほど単純に出来ていない。人の心もだ
「…ジャニ兄はそれどころじゃなかったと思うぞ」
「何が？」
「ヒョンは実の親にだってお前を渡さない。あの連中がお前の親を名乗ってからヒョンはそれが正しいという可能性を最初から否定した。信じたくなかったからだ」
ヒョンの独占欲だ。たとえそれがマノの実の親だとしても、ジャニ兄にとってはマノと自分との関係を脅かす存在でしかない
「マノ、意味わかってる？」
「うん。ジャニ兄は僕が大好きってことでしょ」
脱力した。この子供が相手ではジャニ兄もハンソル兄も報われない
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くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» どよちの春はだいぶ先かな〜www (2022年5月3日 16時) (
レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - こあらさん» ありがとうございます！！！ (2022年5月3日 16時) (レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
akkoro(プロフ) - 更新ありがとうございます^_^ ドヨチーっいいヤツだわ やっぱり ドヨチも幸せになってほしいです^ ^ (2022年4月19日 0時) (レス) @page1 id: 79727b217b (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - 今回も楽しく読ませていただきました‼︎ (2022年4月15日 19時) (レス) @page44 id: 454ea92083 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» 毎度ありがとうございます(*´∇｀*)96って中間管理職振られることが多いんですかね？(笑)だからか自然とブレインに寄ってる気がします(笑)どよち、複雑だけど人魚くんを親友として大事に思ってるんです… (2022年4月15日 18時) (レス) id: 3c3df00dbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2020年5月31日 6時
