ロシアケーキ ページ19
悠太視点
今日一日ジョンウにとっては地獄だっただろう。夕方になってようやく子供達がジョンウを解放したので、縄跳びを解いてやった
「大丈夫？」
JW「死ぬ…」
「おいで、お菓子食べて元気出しな」
ジョンウを連れて談話室に行き、缶に入ったクッキーを出した。この部屋にはお茶やお菓子の用意がされているが、一応大人の許可が必要となっている(熱湯を使うから)。缶に入っているのはテヨンが作ったクッキーで、メレンゲをたっぷり入れたものやナッツが入ったもの、ロシアケーキなどもある。とびきり甘いのは子供達のためだ
JW「ロシアケーキって初めて聞いた。美味しいね。でもどう見てもクッキーだよ」
「そりゃロシアのクッキーを日本人が真似して作ったもんだからな。こう見えて、日本のお菓子。何でケーキって言うかは知らないけど」
JW「…ここ、日本茶なんかも置いてあるんだね」
中国やタイのお茶も置いてあるが、やはり食事に関しては日本のものがよく出る。それは俺のためではなく、マノのためだ
「最初俺がNCTに来た時、テヨンは日本のことを色々知りたがった。だから教えたんだ。あいつは俺のために和食を作ってくれた」
だがマノがやって来た時、彼がテヨンよりも日本のことを知らないと知って、テヨンはとても悲しそうな顔をしていた
「親元離れて暮らす子は多い。でも、マノが一番自分の故郷を知らないんだ。着物の着方を知ってるし、日本語だけじゃなくたくさんの言葉を話せる。でも組織の外のことは何一つ知らない。自分が人間だってことすら知らなかった」
ジャニやドヨンに教わっていても、どこか期待していたらしい。施設に来てマノは“人魚、僕だけなの？”と聞いた。その時の彼は、自分だけが異質の存在に感じたのだろう
JW「……僕はだいぶ運がよかったのかな」
「変わらないよ。受けた傷の大小はあっても、痛みや苦しみは同じだ。マノはジョンウが自分と同じように戸惑って怯えてるんじゃないかって、そう思ってる」
マノは組織で何も知らずに育った。愛情を向けられたことはなく、憎しみや欲望、侮蔑を向けられても、それが人間だと思っていた。それを不快に思うのは、自分が人間ではないからだと
「赤ん坊みたいな心のままジャニに引き取られて、大事に愛されて、この施設でも愛情だけを向けられてる。今のマノにとって、人間は二種類に分かれてる」
愛情を持つものと、憎しみや欲望を持つもの。その2つに境界線などないのだと、あの子はまだ知らない
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くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» どよちの春はだいぶ先かな〜www (2022年5月3日 16時) (
レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - こあらさん» ありがとうございます！！！ (2022年5月3日 16時) (レス) id: 7d1417b277 (このIDを非表示/違反報告)
akkoro(プロフ) - 更新ありがとうございます^_^ ドヨチーっいいヤツだわ やっぱり ドヨチも幸せになってほしいです^ ^ (2022年4月19日 0時) (レス) @page1 id: 79727b217b (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - 今回も楽しく読ませていただきました‼︎ (2022年4月15日 19時) (レス) @page44 id: 454ea92083 (このIDを非表示/違反報告)
くたろまりあん(プロフ) - akkoroさん» 毎度ありがとうございます(*´∇｀*)96って中間管理職振られることが多いんですかね？(笑)だからか自然とブレインに寄ってる気がします(笑)どよち、複雑だけど人魚くんを親友として大事に思ってるんです… (2022年4月15日 18時) (レス) id: 3c3df00dbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2020年5月31日 6時
