あなたの強さは ページ9
ジョンハン視点
SK「…何だこりゃ」
都心の建物は頑丈に作られている。本来ミミ兄が壁を壊した先には隣家の地下室との厚い壁があるはずだし、当然そこには鉄筋なんかもなくては困る
実際は、2つの家の地下室を薄いコンクリートで隔てただけだった
VN「酷いもんだ、欠陥工事なんてもんじゃないね。骨組みもないんじゃ大きな地震が来たときに崩れちゃうよ。イェウンさん知って……たわけないよね」
ヌナはたいそう驚いたようで、固まってしまっている。問題はそれだけじゃない
「欠陥建築なのはもちろんだけど、さっき入ってきた連中は見るからにやくざ者だよ。ここに住んでたやつもその筋の人間だったなら、不動産屋には話す義務がある。ヌナ聞いた？」
YW「まさか！！そんな怖いところにユジンを住ませるわけないでしょ！？それに業者を頼んだのはソウンよ。あの子に聞いてみないと…」
「イェウンさん……残念だが、あんたもあんたの妹も100％騙されている。悪徳業者だ」
問題は理由だ。何故イェウンヌナが狙われたのか。何故地下の壁がこんなにも薄いのか。そもそもこの地下には何が隠されていたのか
俺がちらっとミミ兄を見ると、ヒョンは仕方ないというふうに頷いてくれた
「やり過ぎるなよ。穏やかにしょっ引け」
SK「絶対無理でしょ。フルボッコだね。せめて口は生かしておいてよ」
VN「目がガチだよ。どうする？銃は預かっておこうか？」
俺がにっこり笑いかけてやると、可愛い弟2人は大人しくなった。不安げなヌナを連れて地下を出る。安心させるように抱き締めた
「大丈夫だよ。普通に逮捕するだけだし、応援もいるから危なくない。とりあえずソウンさんに業者の番号貰ってくれる？」
YW「……本当に大丈夫かな？また狙われたりしたら…」
悪魔のような夫から解放されてから、ヌナはずっと明るかった。それはきっと娘や妹と支え合ってきたからだろう。だがどれだけ気丈に振る舞っても、怖いものは怖い。ヌナに頼れる男家族はいないのだ
「…ヌナ、よく聞いて。俺達が事件を解決するし、ヌナたちに怖い思いは絶対させない。何があっても俺達が守る」
YW「うん…」
「しばらくお店は休業だから、その間は江原道の中間施設に来てもらう。そこなら誰にも手出し出来ないはずだから……いいね？」
ヌナの強さは全てユジンとソウンさんのためだ。だが本来のヌナは大人になり切らぬうちに悪魔に囚われてしまった子供のような人だ。涙目で震える彼女は俺はしばらく抱き締めていた
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2018年2月19日 23時
