ご褒美 ページ50
ミンギュ視点
「シベリアでの大奮闘は基地の記録には残るものの、公表は出来ん」
翌日、いつものように戦闘服に身を包み食堂に向かうと、朝食後司令室に来るよう放送がかかった。呼び出されたのは俺とスングァン、エスクプス兄、ジョンハン兄、バーノンだ
「コバルト60の時もそうだったがな、核の脅威というのはデリケートだから情報は秘匿されるんだ。パニックになればそれこそ経済に影響を及ぼす。だからお前達の働きは本来表彰もんだし、候補生の3人に関しては正規戦闘員昇格も当然という評価だったものの、表立っては何もなかったことになってる」
特におかしいことじゃない。俺達は皆ミミ兄に褒められたくて頑張っているところがあるから、ヒョンに労ってもらえたこと自体がご褒美だ。と、ミミ兄は続けた
「だが今回の任務、所長はじめ上層部はその作戦に非常に感心していた。特にクプス、本部じゃお前の評判がうなぎ上りだぞ。政府との渉外も担い、この俺を抑え…」
SC「あなたが抑えられてくれたことがありましたかいまだかつて」
「抑えようと体を張り、今では任務の陣頭指揮を執りいくつもの難事件解決に貢献した。加えて今回のウラン事件だ。お前を本部に昇進させ特殊任務班を任せたいと言われた。正確に言うと所長以下数名に“あのゴリラ寄越せ”と言われた」
SC「そんな言い方で俺が行くと思ってんですか。喧嘩売られたも同然でしょう」
笑いを堪えようと震える俺達をじろっと睨み、エスクプス兄は溜息をついた
SC「どうせ断ったんでしょう、俺の答えを見越して」
「はは、まぁな。お前みたいに優秀かつ忠実な右腕をそうそうあの禿げにくれてやるものか。お前は俺のもんだ」
SC「ミンギュ痛い足踏まないで。司令言葉選んでくださいめんどくさいから」
「だがまぁそれは所長もわかってたらしい。そこで今回お前達には特別手当が支給されることになった。要はボーナスだ。非公式だから逆に惜しみなくいい額を出せた」
SK「マジで!?やったー!!」
VN「ベルと美味しいもの食べに行こう…」
俺がじっと見つめると、ミミ兄はひらひらと手を振った
「ダイヤもいずれ捌かなきゃならん。ドユンに頼んだんだよ。今回は切ってない。コバルト60の時もそうしたんだ」
「まったく…」
「あぁそれとジョンハンには祝い金も出たぞ。それでいい指輪でも買ってやれ」
ミミ兄は椅子にドカッと座って、デスクに足をのせた
「以上、解散」
SC「デスクに足をのせないでください」
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作者名:くたろまりあん | 作成日時:2018年2月19日 23時