規格外の比較対象 ページ43
ミンギュ視点
「このお店は妹さんと切り盛りしてるのでしょう?その間娘さんのお世話は誰が?」
YW「常連さんが見てくれることもあるし、この子も大人しくしてますから。ジョンハン君が着ている時は二人で遊んでます」
「とてもお忙しいようね。子育ても大変でしょう」
YW「慣れてますから。それに娘は私の生きがいで、お店はやりがいなんです」
ユン夫人は真顔、イェウンさんは笑顔のままよどみなく会話が続いている。だがユン夫人のあれは早くも姑だ。下手したらうちの母親よりも手強いかもしれない
「失礼を承知で言うがよく受け答え出来てるよなイェウンさん。俺なんてミンギュのお母さん相手に何度泣かされたか」
「今だに母さんにビビってるもんねミミ兄」
JH「すごいわ、最初何かあったら庇う気でいたけど口も挟めない。ヌナ強い」
すると戦いの様子を観戦モードで窺っていたソウンさんがトマトをつまみながら言った
SW「そりゃジョンハン君のお母さんなんて優しいもの。世の中にはもっとすごい姑がいるものよ。例えばオンニの最初の姑とかね」
娘を監視し妻に暴力を振るい、二人を不幸にするためだけに自ら両目を撃たせた男の母親だ(事件のことは聞いている)。そりゃ強烈だっただろう
SW「当時はオンニも泣いてたけどね、ユジンが生まれてからはそれなりに抵抗してたよ。大丈夫だって」
JH「それならいいけどさ」
SW「心配すべきはミミさんじゃない?」
ソウンさんの言うことに間違いはなさそうだ。ユン夫人はイェウンさんに厳しいことを言ってはいるようだがそこまで攻撃的には思えない。よく思ってはいなくても、強く反対する気はないようだ。だが時折ミミ兄を見る目は違う
「あー…俺嫌われてるからね」
JH「初耳」
「言ってねーもん。まぁ嫌われ内容は他の親御さんと一緒だ。至極真っ当な怒りだと思うし、ウジの祖母に比べりゃぁな」
「ミミ兄もソウンさんも比較対象が規格外だってことわかってる?」
ミミ兄は嫌われることには慣れっこだが、それでも不安そうな目だ。一般人で女性、しかも部下の母親となるとどうしても強く出られないらしい。どこまでも負い目に感じているからだ
「まぁあれだ、万が一息子を返せとか言われてもいつも通りのことしか言えんからな。足を洗うには記憶貰いますよって。結婚する以上そうもいかんし」
JH「足洗うってヤクザじゃないんだから」
「お母さんにシベリアでの死闘を話してやれんのが辛いな。不死身だと安心させてやれるのに」
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作者名:くたろまりあん | 作成日時:2018年2月19日 23時