母と母 ページ42
ミンギュ視点
しばらくするとドアベルが鳴り、一人の女性が入ってきた。小柄で若いが一目でわかる。彼女はジョンハン兄の母親だ。なるほど、美貌は母親譲りらしい
JH「母さん」
「急な呼び出しだから驚いたわ。あなたったら休暇に帰って来いといっても帰って来ないんだから。電話ばっかりでね」
彼女は店の仲を見回して、ゆっくりと頭を下げた
「息子がお世話になっております。ユン・ジョンハンの母です。夫は仕事、娘は学校の後はすぐ塾なので来られませんでした」
YW「そんな…こちらこそ急なことで申し訳ありません。チョ・イェウンです。妹のソウンと娘のユジン。それと…」
司令は立ち上がってユン夫人に一礼した。俺も慌てて後に続く
「お久しぶりです。こちらは部下でありご子息の後輩のミンギュですが、今日は俺のパートナーとして連れてきました」
「ミミ兄……ッいて、き、キム・ミンギュです」
ミミ兄の口調はいつにもまして固い。その理由はジョンハン兄の顔と、ユン夫人の表情からすぐにうかがえた。ミミ兄は基本的に部下の親には紳士的だし、自分がよく思われていないことをわかっている
SW「じゃ、始めましょ。食べ物はまだあるので自由にどうぞ。お酒、召し上がります？」
「いいえ結構です。それよりあなたのお姉さんとお話がしたいのだけど」
さすがのソウンさんも一撃だ。イェウンさんが緊張したように背筋を伸ばす
「初対面でいきなり聞くのは失礼でしょうけど、息子と結婚するというのなら知っておきたいわ。娘さんのお父様とは離婚なさったの？」
YW「いえ、死別です。ジョンハンく……ジョンハンさんと出会ったのもその頃です」
「ご主人をなくされてすぐ？まぁそれは…」
JH「母さんそれは…」
ジョンハン兄が反駁しようとすると、イェウンさんが制止した
YW「おっしゃりたいことはわかります。お母さまにはちゃんと話しておくべきことですし、彼とどうやって出会ったかも含めてお話します」
SW「オンニ！！それは…」
YW「夫は殺されたんです。ジョンハン君とはその事件の捜査で出会いました。私の無実を信じ、証明してくれて、その後も気にかけてくれました。娘も大変懐いています。それとこれも話しておくべきでしょうが、今改装中のこの店の地下も、改装費の大部分を彼に出してもらっています」
俺はユジンを抱っこして食べさせながらミミ兄に耳打ちした
「母は強いね」
「双方共にな。お前のお母さんにも引けを取らん。ゴングが鳴ったぞ」
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2018年2月19日 23時
