Memory of blood～Shining Diamond～22 (ページ33)

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フラグなんて怖くないページ33

エスクプス視点

大規模な発動というのはそれだけ血族に負担をかける。特にガラス玉やコピー能力を使っての保護は消耗がひどいという
「今回の事件、例によってジョン・テギョンは手を貸した程度だと思う」
敵は爆弾担当を逮捕され急遽代わりを見つけた。だがそのためにわざわざ実験をしたということはやはりそれだけの伝手がなかったということだ。それだけで、今のラマノネグラの実態がある程度浮かび上がる
「“謎の男”のおかげで殺し屋たちの名簿が公開された。ある意味これはラマノネグラの大失態、ジョン・テギョンがそれを見逃すはずがない。手を貸しあらゆる保護を講じてやる代わりに自らの手足となることを命じた。今ラマノネグラを仕切ってるのはジョン・テギョンだ」
だがジョン・テギョンは裏社会で絶対的な権力を持っているとはいえ支持を得ているわけではない。もともとはただの大学教授なうえにシェルターに目をつけられている彼を受け入れない犯罪組織もいないわけではない。おまけに殺し屋の名を多く流出させたこと、さらには前リーダーのエルネスト・バルカサールをシェルターの情報源にされたことが知れ渡り、ラマノネグラの信用はがた落ちだ
VN「ラマノネグラは“あの方”を得た代わりに犯罪社会ではぐれものになったってわけか。だから新たな爆弾のスペシャリストを短時間で確保出来なかった」
JH「ジョン・テギョンは今とにかく足場を固めたいはずだ。そのために一番重要な“能力解除”というカードを大事に隠してる。貸し出すとしてもコピーだ」
「つまりアジトの保護圏はそれほど大規模じゃない。近いぞ」
ジョンハンが結婚を打ち明けた時、俺は特にフラグが怖くなかった。俺達基地の面々にはもっと怖いフラグがいくつもあるからだ。ひとつは「二手に分かれたら司令がいない方が死にかける」というもの。そしてもう一つは…
ッダ―――ン！！
JH「嫌な推理は絶対当たるんだよ―――ッ！！ふざけんなクプスお前もう黙ってろ！！」
「降車展開！！ハニは右、バーノンは左、俺は真ん中だ！！撃つとき注意しろ！！」
俺達は普段あまり使わないライオットシールド(防弾盾)を身の前に、三方向に展開した。こちらの強みは吹雪による視界の悪さと少人数だ。敵はこちらの位置を正確に把握しづらいし、核がそばにあることを敵も知っているから撃つのに緊張している
それでも多勢に無勢で銃弾が降り注ぐ。俺は盾でそれを防ぎながらじりじりと的に距離を詰めていった