絶対無敵のおまじない ページ31
エスクプス視点
「今日のためにアメリカ本部から装甲車を手配した。氷の上もガンガン走れる」
司令は背後の黒い車(大砲のない戦車にも見える)を指した
「俺達基地メンバーはこれから二手に分かれてこの永久凍土を走ることになる。一応危機察知に結界その他ありとあらゆる保護がかかっているが敵に気付かれたら解除される。覚悟はしておけ。衛星無線を渡しておくから連絡は取れるはずだ」
RG「俺とビョリとカミルはここに残って車のGPSをモニターする。カミルが君達を視るから、もし万が一君達が能力解除の保護圏内に入ったら連絡する」
BI「その時は能力解除のギリギリ外側に俺が大規模な結界を張る。万が一のためだ。敵もいざという時は能力解除を解くかもしれないしな」
SK「でも…負担じゃないですか」
BI「誰の許可取って心配なんかしてんだ基地の小僧」
スングァンがすごすごと引き下がってしまったので、司令が説明してくれた
「リン先輩の増幅能力でビョリ先輩の能力を強化する。大規模の結界を長時間維持可能だが当然限界はある。迅速に済ませることが重要だ。スングァンそう怯えるな。ビョリ先輩はこういう女王様口調しか出来ない可愛い人なんだ」
BI「喧嘩売ってんのかこの俺に」
「行くぞ、時間がない。予知まであと38時間だ」
俺達は背嚢を車に積み込み、車に乗り込んだ。残される本部の3人は俺達をじっと見つめて見送ってくれている。今回本部の内通者を警戒して本部の戦闘員を動員出来なかった。情報は最低限に、基地で処理する必要がある。本部の先輩たちは俺達に痛ましい表情を見せまいと必死に思えた
司令が運転する車にウォヌとスングァン、俺が運転する方にはジョンハンとバーノンが乗る
「クプス」
運転席に乗り込む前、司令に呼び止められた。強く引き寄せられ、抱き締められる
「そっちの隊長はお前だ。気張れよ副司令」
「はい。司令、ご無事で」
「うん、お前もな。絶対に帰って来い。死んだら殺す」
そう言って司令は車に乗り込んだ。死んだら殺す。どんな結界よりも強固な、絶対無敵のおまじないだ
VN「司令、何だって？」
車に乗り込むとバーノンが後部座席から身を乗り出した
「死んだら殺すってさ」
JH「ぶふっ……こりゃフラグどころじゃないな。死ねないよ、マジで殺される」
VN「司令なら地獄の果てまでも追い込んで殺しに来るよね。ベラミーやソフィアのためにも死ねないから、頑張って生きようね」
俺は頷いて、車を発進させた
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2018年2月19日 23時
