基地の未来はどっちだ ページ27
「狙撃そのものに能力解除がかかってた。だから視られなかったんだ」
カミル先輩は悔しそうに唇を噛む。能力解除のせいで、車に張ってあった結界もあっさり破られてしまったのだ。スホ室長は深刻そうな顔で言った
SU「正直かなりの非常事態だよ。ウランがどこにあるかも、誰がいつ何故どこを狙うのかもわかってない。倉庫は丸きり空だったんだろう」
「何も入ってませんでした。高濃度の放射線反応があったから、つい最近までウランがあったのは間違いないです。あの囮捜査で蛇を突っついたらしい」
あの後すぐにマ・ヨグンが借りていた倉庫に行ったが、中はもぬけの殻だった。スングァンは自分の案のせいだと思い込み、すっかり落ち込んでいる。ジョンハンの結婚どころではなくなってしまった。テロを阻止しないと、街ごと消し飛ぶことになる
HC「USBも見つからなかったんだろう。カン・ドンチョルに話を聞きたいところなんだがな……まぁ案の定ってところだ」
カン・ドンチョルはラマノネグラに依頼を受けてウランを手に入れたところまでしか知らなかった。というより、この事態を恐れて知らされていなかったのだろう。逮捕により取引が遅れ、おまけにマ・ヨグンに奪われたことでかなり怯えていた。ラマノネグラがその気なら韓国の刑務所にまで刺客を放つ
今基地と本部を合わせて捜査しているが、思わしくない。と、そこへエスクプスが飛び込んで来た
SC「司令！！司令、大当たりです！！」
「…ッ！！」
カミル先輩はエスクプスが言いたいことを視たらしい。所長室を飛び出していった
SC「以前“謎の男”が掃除屋の顧客リストを送ってよこしたでしょう。あの中にいたラマノネグラの殺し屋は何人かこちらで拘束してる。そいつらは元々能力解除の保護にかかってるから奪われる心配もない」
HC「吐かせたのか」
SC「ジョシュアがね。ひとりタイ国籍の殺し屋がいて、そいつは逮捕前例のテロ計画に加わっていたそうなんです。ただウランを奪われ計画が中断されたところをシェルターに逮捕された。おそらく計画自体はだいぶ手を加えられたでしょうけど、情報はいくつか得られました」
エスクプスが何かのメモを見せた。そこに書かれたGPS座標を見て所長は舌打ちする
HC「狙いは基地か……モテたもんだなミミも」
カミル先輩はリン先輩に会いに行ったのだろう。リン先輩の能力で千里眼を増幅させるつもりだ
SC「基地の未来を視れば、テロを未然に防げるかもしれない」
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作者名：くたろまりあん
| 作成日時：2018年2月19日 23時
