Memory of blood～Shining Diamond～22 (ページ1)

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修羅場5秒前ページ1

エスクプス視点

「ウンビさん！！」
EB「…ッスンチョル君」
店に飛び込んだはいいものの、言葉が続かなかった。そう言えば言い訳を考えていなかった。任務ならいくらでも演技が出来るのに、休日となった途端このポンコツだ。司令じゃあるまいし
「ウンビ、彼は友達かな？」
子供に問いかけるような口調だが、目は笑っていない。必死に頭を回転させていると、後ろから柔らかい声がかかった
JS《ここなの？お前のお勧めの店っていうのは》
ジョシュアは何故か英語なので、ウンビさんは首を傾げている。彼は俺の耳元で言った
JS「あの男は英語がある程度分かるらしい。合わせて」
《…あー、うん。調べておいた。お前こういう店好きだろ》
JS《そっちの彼女は友達？綺麗な人だね》
「ウンビさん、こいつは俺の友達でアメリカ人なんだ。デート中？」
ウンビさんはすぐに勘付いたらしい。呆れたように溜息をついた
EB「そうよ、最近付き合い始めたの。オッパ、彼はうちの常連さんで…」
名前を勝手に言っていいものか迷っているらしい。戦闘員の俺を気遣っているようだ。すると突然男が英語でしゃべり出した
《悪いが彼女はデート中だ。それにおそらく君の友人は店を間違えている》
JS《僕にこんな高い店は似合わないって？あなたに言われたくないけどな》
《…どういう意味だ》
JS《だってただの成金でしょう。足が痛いんじゃない？頑張って履いたんだろうけど、そういう靴は硬いからしばらく慣らさないと。そもそも本当にいい靴に慣れているならオーダーメイドにするから、靴擦れなんてしない》
忘れていた。ジョシュアの実家はそれなりの家で、彼はパンデミックまでそこで大事に育てられていた。そして何より……彼はとにかく耳がよく、性格が悪かった
JS《お金を手にしたのは最近？真っ先に整形したんだ》
「黙れ！！いきなり現れてどういうつもりだ！！」
JS《大声出さないでよ、お里が知れる。なれない高級品を身に着けて、若くて可愛い女の子をそばにおいて、誰にアピールしたいの？》
「シュア、もうよせ。俺はマスターに頼まれたんだよウンビさん。様子がおかしいから相談乗ってやってくれって」
本当は探れと言われたのだが、それを言うと祖父と孫の関係に亀裂が入りそうだったのでやめた。ジョシュアが耳元で言う
JS「何で言っちゃうんだよ」
「ここで揉めるわけにはいかないんだよ。それにあんまり追い詰めるとウンビさんの男運のなさから考えて男がストーカー化しかねない」