色の見えないあなたと共に…【アナタシア】本編1 (ページ46)

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第43話ページ46

Aside

そんな話から何日か経った土曜のある日。

A「HAPPYBIRTHDAY…なの？」

まりん「HAPPYBIRTHDAY…らしいけどな？」

芝健「なんで二人共疑問形…。祝ってよ！17歳！」

A「オメデトーゴザイマース。(棒)」

芝健「(´・ω・｀)」

どうやら今日、5月26日は、私の兄(仮)である健の誕生日らしい。17の。

まりん「まあ…おめでと。特に何もあげねぇけど。(笑)」

芝健「嫁なのに…。」

まりん「…なんか言った？」

殺気が怖い…。

A「そう言えば、この3人だけで、健の部屋にこんな形で座るの久々だよね…メンバーがいっつも来てたし…。」

芝健「確かに…なんか初期メンバーって感じがする。」

まあ小学校入る前から一緒だからな…。

他メンバーは全員用事があったらしい。しょうがないね。

A「なんにもあげないけど、おめでと。いつもは頼りないけど、私が虐められてる時、即座に助けに来てくれるの、感謝してる。」

芝健「一言余計なんだよなぁ…。本当に思ってる？」

A「まあ…ね。多分世界中の誰よりも感謝してる。結局その笑顔に助けられてるし。」

少し頬を赤らめながら言う。

まりん「え…あ…っ…。」

A「あ、まりんもほぼ同率だよ？2位だけど。本当にいざと言う時に助けてくれるのがまりんで、生活の中で精神的な支柱になってくれるのが健。命の恩人はまりんだけど…私の恩人は健。」

日本語って難しい…。

まりん「ぁ…ありがと…。」

なんか今日のまりんいつもと違うよね？

微笑してみる。

芝健「…暇！」

まりん「…うるさい。というかお前が今日の主役だからお前がなんか決めろ。」

少し悩んだ顔で俯く。

芝健「…トランプ？」

A「…いや、どーせ負けるよ？拗ねても知らんよ？」

まりん「うん。もうトランプ最強と最弱がいるからな？マジで言ってるか？」

芝健「…なんか今回は勝てる気がする！誕生日だし！」

本当にその自信ってどこから出るんだろ。

そう思いながらトランプを配り始める。

結果的に健が18戦全敗、私が18戦15勝、まりんが3勝だった。だからあれほど辞めておけと。

ちなみにまりんの様子がトランプ中もおかしかったのは言うまでもない。

それでまあ色々したのを割愛しまして、午後6時半、世間一般の家庭ではもうそろそろ夕飯なので、まりんは帰って行った。