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佐久間side
アルの血を飲んで強烈な痛みに襲われた。
そこから記憶がない。
意識がはっきりしてくると鉄の味がしてきた。
俺はふっかに支えられながら…
佐｢ブーッ！ゲホッゲホッ！｣
深｢佐久間、大丈夫？｣
佐｢俺、何飲んでんの？｣
阿｢アルの血だよ。｣
佐｢俺、本当にヴァンパイアになったの？｣
阿｢佐久間のバカ！何考えてんだよ。｣
佐｢そっか、ヴァンパイアになっちゃったか。｣
深｢佐久間、本当にごめん！俺、佐久間を防御しな｣
佐｢ふっか、ストップ。あれは俺の責任。
ふっかのせいじゃない。この選択も俺がした。｣
深｢…佐久間。｣
佐｢泣くなよ。笑｣
深｢まだしんどいだろ？水筒の量じゃ足りないよな？
俺の血飲んでいいよ。｣
ふっかが首を俺に差し出した。
なんだ、この感覚。
ふっかの首が美味しそうで堪らない。
ゴクッ
次から次へとヨダレが出てくる。
佐｢ふっか、ダメ。｣
深｢行動と言葉が真反対なんだよ。
そんなにヨダレ垂らして、お腹空いてんだろ？｣
佐｢…空いてない。｣
必死にふっかから目線を逸らす。
深｢佐久間！｣
佐｢ふざけるな！仲間から血吸えるかよ！
ってか、人間の血吸わない！欲しくない！｣
阿｢佐久間、それじゃしんどいでしょ？
俺なら任務に差し支えないから、飲んで。｣
佐｢イヤだ！｣
阿｢分かる範囲で調べたんだけど、佐久間はもう血を
飲まないと生きていけないよ。ものすごい飢えと乾きで
苦しいよ？｣
佐｢だったら、それでいい。｣
阿｢佐久間…。でも、体は正直だよ。今苦しいでしょ？｣
佐｢…うるさい。くふっ。…ッフー。｣
苦しさから逃れるように、俺は体を丸めて縮こまった。
阿｢俺、アルに相談してくる。｣
渡｢阿部ちゃん、俺と涼太も行く。拒否権ないから。｣
宮｢(コク)｣
阿｢分かった、ありがとう。｣
深｢佐久間、もう少しだけ頑張ろう。｣
佐｢…うん。｣
ふっかが、ベッドに運んでくれて
意味ないかもしれないけどって
ずっと背中を摩ってくれた。
それでも少しだけ、苦しさがマシになった気がした。
佐｢んー、っありがとう。｣
深｢俺にできることこれくらいだから。｣
岩｢佐久間、俺も摩っていい？｣
佐｢んっ、お願いっします。｣
岩｢ありがとう。阿部たちが戻ってくるまで話さなくて
いいよ。リラックスしてて。｣
狂ってしまいそうな感覚に必死に耐えた。
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作者名：るー | 作成日時：2022年7月28日 23時
