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阿部side
佐久間は貴族に向かって威嚇してたけど、
もう、頭もあがらなくなった。
貴｢さぁ！答えろ、どうする！｣
佐｢ハァッ、俺っが、ヴァンパイア…なる。｣
｢佐久間(くん)…。｣
貴｢よく言った。アル、血をやれ。｣
ア｢ごめん、大介。僕の腕でもいいから、噛める？
血を飲んで？｣
アルが佐久間に話しかけるけど、佐久間はただただ
荒い呼吸を繰り返すだけ。
阿｢佐久間！死ぬな！｣
もう、生きてくれるならなんだっていい。
ヴァンパイアになっても佐久間は佐久間だ。
ア｢…口移し…するね。｣
アルは自分の腕から吸血して、佐久間に口移しした。
佐久間は体をバタバタ動かして叫んだと思ったら
そのまま意識を失った。
深｢佐久間！佐久間起きろ！佐久間…。｣
ア｢死んでないよ。余りの痛みで今は気を失ってる。
起きた時に君たちを襲うかもしれないから、僕が
起きるまで預かるよ。｣
深｢…っだ。｣
岩｢ふっか？｣
深｢嫌だっ！連れて帰る！襲ってきても俺たちが
抑えて佐久間を取り戻す！｣
ふっかは泣きながらアルに訴えた。
普段泣かないふっかが表でこんな感情任せになるなんて
初めてだ。
岩｢ふっか、大丈夫だから。待ってよう？
佐久間はちゃんと帰ってくるから。｣
深｢やだっ…。｣
ア｢分かった。僕は着いていけないから気をつけて。
こんだけ出血してたら、かなり血に飢えた状態で
目覚めると思う。きっと、理性を抑えられず襲ってくる
と思うから噛まれないように気をつけて。
もし飲ませそうなら、僕の血をあげて。
この水筒に入れるね。｣
俺の持っている水筒を指さしてそう言った。
阿｢あっ、お願いします。｣
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作者名：るー | 作成日時：2022年7月28日 23時
