ヴァンパイアの世界で (ページ27)

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佐久間side

どれくらい経ったんだろう。

視界がボヤけてきた。

深呼吸、深呼吸、落ち着け俺。

佐｢ふっ、ふっ、ふっ。｣

深｢(ボソッ)照、そろそろ佐久間限界だ。｣

照｢(ボソッ)…分かってる。｣

ア｢いつまでくだらない話をするつもり？｣

貴｢はっ、いいだろ。本題に入ろうか。
お前いつから人間と仲良くしている。
この男が初めてじゃないだろ。｣

ア｢初めて会った人間から色んなことを教えてもらい、
人間は悪いものじゃないって思った。
君たちと話すより何倍も楽しかったよ。
毎日毎日血の話ばっかりでうんざりだ。｣

貴｢お前の趣味に誰も興味はないね。お？｣

ドサッ

｢佐久間(くん)！｣

佐｢ハァ…ハァ…まだ…だいっじょぶ。｣

貴｢人間、無理をするな。その出血量でよく立ってた。
そうだ、いいことを教えてやろう。
お前の両親を殺したのは、アルだ。｣

ア｢嘘をつくな！僕の目の前で殺して癖に…。
確かに原因は僕かもしれない…。すまない、大介。｣

佐｢あや…まらないで…。アルじゃっない。｣

ア｢あの時、次人間が来たら命はないと言われた。
僕はなおみに伝えようと花壇のところに行ったら、
なおみはいつもより来るのが早くて…あいつに吸血
されてた。
僕は助けようとしたけど、もう手遅れだった。
そして、その日はいつも来ない君の父親まで来てて…。
なおみは意識がなくなるまえに、種を僕に渡した。
その花がカーネーションだった。｣

佐｢…そっか。
だからっ、母ちゃん…顔が穏やかだったん…だね。
アル…父ちゃんは…研究員だったんだよ。｣

ア｢もしかして、僕は君のお父さんにカーネーションを
作ってもらったんだね？｣

佐｢きっと…そうだね…。くっ。｣

渡｢佐久間！動くな！｣

佐｢お前…俺たちをどうする気だ！｣

貴｢ひゃっひゃっひゃっひゃ。まだ動くか？
もう、力は入ってないが？笑｣

ア｢もういいだろ！早く大介を解放しろ！｣

貴｢フンっそのつもりだ。さあ、決めろ。
アルを殺すか、お前がヴァンパイアになるか。
お前の血なら貴族の仲間入りできるぞ。美味そうだ。｣

佐｢俺がヴァンパイアになったら、アルは助かる？｣

貴｢もちろんだ。それは約束だ。｣

阿｢佐久間、ダメ！やめろ！｣

宮｢佐久間！｣

渡｢佐久間、ふざけてんじゃねー！｣

深｢佐久間！罠だ！｣

岩｢佐久間頼む！｣

佐｢大丈夫だよ。約束だから。｣