ヴァンパイアの世界で (ページ24)

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佐久間side

阿｢佐久間ー？｣

佐｢んにゃ？｣

阿｢再来週の任務だけど…
お屋敷のヴァンパイアを確保らしい。｣

佐｢どゆこと？味方の？｣

阿｢そう。詳しいことは分からないけど、今回は味方。
生きてれば方法はなんでもいいらしい。
ヴァンパイアだから傷つけても傷は回復するしね。｣

佐｢でも痛いよね？｣

阿｢痛みはあるからできれば無傷で確保したい。
だけど、ヴァンパイアと人間の力じゃ差が
ありすぎて構ってられないかもしれない。｣

佐｢そっか…。｣

阿｢みんなが来たらミーティング始めるね。｣

しばらくして、全員揃った。

阿部ちゃんは言いにくそうにさっきのことを言った。

岩｢え？味方を傷つけていいって言ったのか？｣

阿｢確かにそう言われたよ。｣

深｢他には？｣

阿｢そのヴァンパイアはお屋敷の広場の花壇にいる。｣

え？

阿｢人間と仲良くしようとしていて｣

えぇ？

阿｢名前はアル。｣

佐｢アルっ！？｣

阿｢どした？｣

佐｢えっ、いや、その…。｣

岩｢佐久間、もしかしてこの前のヴァンパイアか？｣

佐｢うん。なんでアルを確保？｣

阿｢ごめん、分からない。
でも、確保を以来されたのは確かなんだ。｣

佐｢アル…。｣

阿｢ってか、知り合いなの？｣

佐｢実は買い物行った時、帰り迷って助けてもらった。
母ちゃんの友だちだったんだって。
アルは母ちゃんに花を教えてもらったって言ってた。｣

渡｢待って、佐久間の母ちゃんヴァンパイアと
友だちだったの？｣

宮｢俺もそこに引っかかってる。｣

佐｢なんか、母ちゃんも迷って助けたって言ってたから
その時、母ちゃんは笑ってアルと話したらしい。｣

渡｢お前の母ちゃんやばいな。普通逃げるだろ。｣

佐｢アルもそう言ってた。｣

深｢何か感じたんじゃない？他のヴァンパイアと
何か違うって。｣

佐｢そうなのかな？でも、本当にアルはやさしいよ。
アル自身貴族が好きじゃなくて、自分が貴族って
言うの嫌がってた。｣

阿｢待って、そのヴァンパイア貴族なの？｣

佐｢え？そうだよ？言われてないの？｣

阿｢貴族とは聞いてない。｣

岩｢外そうとしてるのか？俺もそのヴァンパイアに
会ったことあるから、佐久間が嘘ついてるとは
思えない。｣

深｢となると、アルだっけ？どうなるんだ？｣

佐｢…。｣

宮｢佐久間、今回の任務辛いんじゃない？｣

渡｢ポジション代わろうか？｣

俺は答えを出せないでいた。

ヴァンパイアとはいえ、友だちを確保なんて。