ヴァンパイアの世界で (ページ21)

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佐久間side

お会計が終わって出口に向かったが

どうやら迷ってしまったらしい。

佐｢はぁー、マジか。ん？なにこれ。｣

そこにはピンクのふわふわしたものが揺れていた。

｢カーネーション、花の名前だよ。｣

佐｢え？｣

振り返ると、とても美しいヴァンパイアがいた。

ヴ｢君、人間だよね？見つかったら危ないよ。｣

佐｢すいません！迷ってしまって…。｣

ヴ｢そっか。案内するよ、おいで。｣

佐｢あ、ありがとうございます。｣

ヴ｢ところで、君の名前は？花に興味あるの？｣

佐｢さ、佐久間大介です。花は見たことなくて…。｣

ヴ｢ふーん。じゃあ、大介の歳の子はみんな花を
知らないんだね。まぁ、僕も知らなかったけど。｣

佐｢なんで…知ってるんですか？｣

ヴ｢敬語やめてよ。笑
ある女の人がいてね、僕に花を教えてくれたんだ。
カーネーション見る前に死んじゃったんだけど。
僕の人間の友だちだったんだ。｣

佐｢そうだったんだ。俺の母ちゃんも花好きだったよ。
3ヶ月前、ここで原因不明で亡くなった。｣

ヴ｢え？なおみの…？｣

佐｢っ、母ちゃんを知ってるの？｣

ヴ｢そうか、君が…。｣

岩｢ヴァンパイア！！！！！｣

キィイイイイン

激しく刀がぶつかり合う音の方を向くと、照がいた。

佐｢照！この人何もしてないよ！｣

岩｢え？やっちまった。
す、すみません！！どんな罰でも受けます！｣

ヴ｢あー怖かったー。
いいよ、君は仲間を守ろうとしただけ。
でも気をつけなよ？僕以外の子にしたら殺されるよ。
大介、ここならヴァンパイアはあまり来ないから
いつでもカーネーションを見に来るといいよ。｣

佐｢ありがとう。また、母ちゃんの話聞いてもいい？｣

ヴ｢いいよ。またお話しよう。｣

岩｢佐久間、大丈夫か？｣

佐｢うん。あの人、母ちゃんの友だちなんだって。｣

岩｢え？ヴァンパイアが？｣

佐｢俺もびっくりした。俺たち家畜がヴァンパイアの
友だちって笑っちゃうね。笑｣

岩｢佐久間が無事でよかったよ。｣

佐｢ごめんね。照は大丈夫？｣

岩｢俺は大丈夫。まぁ、今日会ったヴァンパイアじゃ
なかったら確実に殺られてたな。｣

また、会いに行こう。

他のヴァンパイアとは全然違う。

自分の地位を利用して支配しようとしなかった。

母ちゃんの友だちか。