182.遅刻ギリギリ ページ7
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｢ふぁ〜･･････｣
今日、何度目かの欠伸を揺れるバスの中で手摺につかまりながらかまして
漸く慣れた、停留所までの景色をボーッと眺める。
今朝は、潤くんの目覚ましコールに応えなかったからか
先に潤くんは学校に行っちゃって私は遅刻ギリギリ。
だから、当たり前だけど
ここに乗ってる同じ制服の生徒もみんな遅刻ギリギリ。
なのに、誰1人として焦りが見えないのは
もう、遅刻か遅刻じゃないかなんてバス次第だから。
最寄りバス停に着くと、ゾロゾロと遅刻候補者達が
学校に続く数十メートルの坂を登っていく。
走ってる子も中にはいるんだけど殆どが普段歩くのとそんなに変わらないペースで、
でも、胸のネクタイやリボンのカラーを見ると一年生の率は少なくって
ここにきて漸く少し、焦り始めたり。
遠くからあと2分〜！って声が聞こえて周りが小走りし始めるのに合わせて
私も小走りとまではいかなくても大股で、スタスタと歩いていく。
その理由は声の主にあった。
｢おらー、遅刻だぞー。早くしろ〜｣
｢せんせーおはよー(笑)｣
｢朝からそんなおっきな声よく出んね〜｣
｢いーから、お前らは早く教室いけっ(笑)｣
きゃっきゃしてるけど、きっと翔くんのクラスの子なんだろうな･･･。
リボンも潤くんがつけてる3年のネクタイと色が一緒だし。
翔くんが門に手をかけ始めてより一層、周りの子が足を速めて
私もそこで漸く、小走りを始めて
｢おはようございまーす･･･｣
なんとか翔くんの近くまでたどり着いた時だった。
｢あ、松本っ！｣
普段、翔くんからはAって呼ばれるから
名字で呼ばれ慣れてない頭は一瞬体の動きを停止させた。
｢ちょっと。｣
私の前に回り込むと、翔くんは顎で門の側の花壇を顎でさして
そこで待ってろ。って目だけで訴えた。
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年12月4日 19時
