彼の抱えるもの ページ41
NO side
JA「Mac！」
Macに掴みかかりそうなJackyを止めたArsenalは、Macに聞かせるように話した。
AR「…正直、あんときは何言うてるんかわからんかった。みんなって誰や？って思っとった。そやけど後からよう考えたら、もしかしたら俺らのことなんやないかって思い始めてん」
言いにくそうに言葉を出していくArsenal。普段こんなに話さない彼の言葉は、たぶん誰よりも深く心に届いているだろう。
AR「さっきJackyも言いかけたけどな。俺ら、嫌ちゃうからな。この生活。嫌やったら、とっくにどっか行っとる。子どもの家の頃からの仲間と一緒に仕事しとって、嫌な奴がどこに
ガシャン！
おるねん、と言おうとしたArsenalの言葉は、Macが皿を割った音で消された。
JA「Mac…？」
M「…Jackyも、Arsenalもさ」
Macの発した声は、なにかを必死に押さえつけているかのように震えていた。
M「この仕事、普通やないことくらい、わかっとるやろ…？」
JA「…まあ、普通、とは言えへんやろな…」
Jackyが恐る恐る相槌を打つ。
M「お前ら、何人の人殺した？俺、何人、殺させた…？数えきれへん。それは仕事やからって、割りきられへん」
Macは涙声になっていた。相変わらず背中を向けているが、明らかに泣いている。
Macが泣く。
ArsenalとJackyは無言で顔を見合わせた。
M「…Gumとか、知っとるやろ？依頼行った次の日、絶対猫のとこ行きよる。その日がどんなに雨降っとっても、どんなに寒くても。前聞いたことあるんや。お前なんでそんなに猫んとこばっか行くんや？って。…Gumな、生きてるもんが見たかったんや、って…仕事の前と後で変わらんもんが見たいんや、って」
JackyとArsenalはかける言葉がなかった。たしかにGumが戦いを嫌っていたことも、猫に会いに行っていたことも知っていた。だが、理由までは、知らなかった。
JA「Mac…」
M「ToppoもGumも、普通やったら人殺す必要なかってん。Gumとか喧嘩強かったけど、昔っから根は優しい奴やったし、Toppoも実験とかはようやっとったけど、こんな薬作るはずなかってん。………Jackyもな」
JA「？！」
突然の自分の名前に驚くJacky。それを知ってか知らずか、Macは話を続けた。
M「…今でも、料理の店やりたいんやろ？食堂でバイトしとって、ちゃんと腕磨いとったのに、全く関係ないこんな仕事させとる」
JA「Mac…」
M「…Arsenalも自衛隊やめた言うから、ええなぁ思うて誘った。俺が誘ったんや…Aceも似たようなもんやった」
AR「…」
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Runa Nagatuka(プロフ) - はじめまして！小説読ませていただきました！めっちゃ続きが気になります！お忙しいとは思いますが次の更新待ってます！がんばってください！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: f4ef6cdfaf (このIDを非表示/違反報告)
文月(プロフ) - ゆうみさん» ありがとうございます！ (2020年7月25日 8時) (レス) id: 14698a6b0a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 更新頑張ってください！続き楽しみにしてます♪ (2020年7月19日 8時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月 | 作成日時：2020年6月20日 22時
