【平和組】泣いても無駄だよ。【つ.わ.は.す】 (ページ22)

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「そんな顔で言われても説得力ないんだけど」ページ22

彼は私の服を綺麗に剥ぎとっていく。
その手つきが妙に慣れていて、不快な感じがする。

「つわ、はすくん。やめて..」
「そんな顔で言われても説得力ないんだけど」
「っ...！」
「そんな真っ赤な顔で睨んでもダーメ」

もう私も終わりか、
自分自身の危機に諦めを感じて目を瞑る。
するとつわはすくんが手を止めた。

「あーあ。そんな顔するならもうしないから。どんだけ懇願しても泣いて喚いてもしてあげない」

気分変わった、そう言って部屋から出て行く。
追いかけたい気持ちもあるものの、手錠と足枷はついているし、肌ははだけたままだった。

「っ...はぁ..」

小さくため息をつく。
少しの安堵と少しの後悔。

私だって人並みの欲だってある。
全く乗り気でなかった、というと嘘になる。

つわはすくんの色気のある声や、
普段見せない表情が私の胸を高鳴らせる。

「あ...」

そういえばここへ来て一人の時間に視界と口が自由なのは久しぶり、いや、初めてかもしれない。

私は辺りを見回す。
つわはすくんの家だと勝手に思っていたのだが、
案外違うのかもしれない。

生活するには家具やら何やらが少ないし、
何より私の寝ているベッドが乱れている以外に生活感ある場所がない。

「いつ...開放されるのかな...」

正直自分が今後どうなるか見当がつかない。
なんなら一生このままでもいい気がしてきた。

頭の回らない中、思ってもないことを考える。
私はそんなことを、考えながらさらに辺りを見回す。

「....あ。」

本棚があった。

たくさんの本が詰められている。
だけどその本は精神学や心理学、医療について書いてある本ばかりだった。

ーーねぇ、つわはすくん。

君の過去に何があったの？

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