【平和組】泣いても無駄だよ。【つ.わ.は.す】 (ページ14)

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「久しぶりやね」ページ14

頭が重い。鈍器で殴られたように痛い。
そんな最悪な目覚め。

「…A！？起きたか…」
「っ、その声。は…」
「あー、レトルト。って言っても分からんか。」
「レ、トルト…？」
「ヒント1、高校時代の同級生」
「…」
「ヒント2、キヨくんの親友」
「っ…あ。」
「分かった？」
「…栞太？」
「久しぶりやね」

――末田栞太

レトルト、と呼ばれた人は高校時代の友人だった。

「ごめんな、A。久しぶりの再会がこんなんで」
「…、栞太まで何で…」
「言えない。レト。ここではレトってよんでや」
「レ…ト？」
「Aからレトって呼ばれるとなんか違和感あるわー」

そう言って笑う。
多分この人は高校時代から変わらないように笑っているのだろう。

「いつ終わるの…」
「わからん。俺はただその人から巻き込まれただけだから。」
「うん…」

そう言って私の頬をふれる。

「痛そう…。P-Pか。あいつは本当やばいからなぁ」
「っ、」
「しかも手当もせず放置とはすごいわぁ…」
「…レト」
「なんや」
「お願いがあるんだけど」
「何？」
「…お風呂入りたい」
「えっ！？」

血と涙でぐちゃぐちゃだし、何といっても今まで風呂にはいってない。
すごい…泣きたい。

「…ごめん無理や」
「なんでっ」
「勝手に行動してあいつらに怒れるんよ」
「そっか…」
「俺だって解放してやりたんやけどね」

そういったレトの言葉に泣きそうになる。

「そう、だよね…レトもしたいでやってるわけじゃないんだよね」
「そうやな…」

沈黙が続く。
そんな中レトが言葉を発した。

「キヨくんから…なんかされた？」
「えっと…、ちょっと、ね」
「そっか…。あいつもまだAのこと好きだと思うよ」
「いや、いいんだよ。もうキヨとは終わったから。二人きりになって少し燃え上がっただけ」
「…もう昔のことやしね。でもなんか、キヨに告白したのはAからだし少しそんな事聞くと違和感あるわ」
「そうかもね。レトにはいっつも相談してたし…そういえばキヨのこと紹介してくれたのもレトだよね。」

そう私が言うがレトから言葉はかえってこなかった。

「レト…？」
「なぁ、A」

ほんとのこと言うわ。

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