【平和組】泣いても無駄だよ。【つ.わ.は.す】 (ページ13)

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「ナイフだよ」ページ13

「あーあ、こんなに白いのに赤い痕ばっかりついてる。ほんと、キヨくんって独占欲の塊だよね。たしかー…足へのキスは忠誠だとか何とか言うけどあんまり関係なさそうだね。」

そう言って笑う。
だけどこの人の目は笑っていないだろう。

「僕だって、人からのおさがりは嫌なんだよね。少し…、つけなおさないとね？」

そう言ってP-Pさんは私の足を持ち上げる。
恐怖からか体が硬直してしまう。

そんなときにヒヤりと何か冷たいものが足にあたった。

「ねぇ、Aちゃん。僕が今君の足に当ててるものなんだか分かる？今は声だしてもいいよ。」
「…、氷。ですか…」
「ナイフだよ」

そう耳元で言われる。
この人は私がどういうタイミングで恐怖を感じるのか把握しているのだろう。
――怖い。

「これからはー、我慢してね」
「っ…」

ツゥーっとナイフを滑らされて、ふくらはぎを薄く切られる。
じわじわと血が滲み、鉄の匂いが鼻の奥にツーンとくる。

「意外と痛くないのかなぁ。」
「ぁ…」

さらに太もものほうをナイフで切っていく。

「っ、あ…。ったい。やめ…めてくださいっ」
「あ、喋っちゃったね。お仕置きかぁ…」
「ひっ…」

頬をナイフで切られる。
血がドクドクと溢れ出してとまらない。

「っ、だぁ…」
「泣いてるね。んー、あざといなぁ。みんなはこの感じに騙されてるのか。」

痛みでなにも考えられない。
そんな状態。

血は溢れ出し、ベットのシーツを赤く染めていく。

「血があふれてる…。もったいない」
「っ…あぁ、」

P-Pさんから頬からあふれている血を舐められる。

「まっず。…でもいい。癖になるかも」
「っ、…だ。っゃだぁ…」
「泣いてるんだ。でもごめんね。今キヨくんのつけた痕をナイフで切ってるんだから」

僕で染めないと。

そういってナイフで私の体に傷をつけていく。

――おかしい。
頭が、おかしい。

なんで私は知らない相手からこんなことをされてるんだろう。

「あれ、もうきつそうだね、血が足りなくなったかなぁ…」

頭がクラクラしてくる。

「睡眠薬を飲ませちゃったしちょっと無理させすぎちゃったかなぁ」

意識を手放しそうだ。

「おやすみ、Aちゃん。僕とはもう会うことないかもね」

これが意識を離す前に聞いた彼の言葉だった。

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