【平和組】泣いても無駄だよ。【つ.わ.は.す】 (ページ12)

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「僕は耐えてる声が好きなんだよね」ページ12

「おはよう」

目が覚めた。聞こえてきたのは知らない人の声。
その人の声はすごく明るいんだけどすごく怖い。

逃げ出したい気持ちでいっぱいなのだが、身体の拘束はもちろん
目隠しされてるのもあるし、なにより体が重くて動かせない。

そんな逃げ出せない怖さと何をされるか分からない不安感が煽られる。

「んー、Aちゃんは僕のこと初めてみるよね。まぁ、見えるっていう表現はおかしいけど」
そうやって笑い、言葉をつづける。

「僕ね、P-Pって呼ばれてるんだよね。本名じゃないよ。本名からもじってる人はつわはすくんとキヨくんくらいかなぁ。レトさんなんて本名にかすってもないしね」

…文字ってる？
どういうことなんだ。

目覚めた早々わけのわからない人から分けの分からないことを言われる。
頭が回らない。重い。

「とりあえずP-Pさんとでも呼んでよ。で、Aちゃん」

そういって足の拘束をとく。

「あー、キヨくんにいっぱい痕つけられちゃってるね」

さらに口に貼られているガムテープをはがされる。

「っは…。P-Pさん、あの…」
「だまれ。僕がいいっていうまで喋っちゃだめだよ。痛くても声出しちゃだめだよ。」
「い…たい…？」
「ちょっと痛いことしちゃうかも。でも声だしちゃだめ。僕は耐えてる声が好きなんだよね」

目隠しされて見えないんだけどこの人は相当やばい。
そう感じた。

多分この人もキヨと同じように一日で交替なんだろう。
今日は耐え抜くしかない…。

どんなにつらくても。

「じゃあ、ちょっとテストだから」

そうP-Pさんは言って爪を太ももに食い込ませる。

「っ…！」
「あはは、そうそう。どんな時でも声だしたら…」

お仕置き、だからね？
そう耳元でつぶやかれたとき、私は全身が震えた。
この人は、怖い。

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