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侮るなかれ ページ40

当番の花の水やりは毎週続けている。
生徒会やバイト、特訓に体育祭の練習などに
時間を割きつつも委員としての仕事は
ちゃんとしておきたいという私の意思表示だ。

体育祭まで残り一週間、
先輩たちも焦っているようだ。

来年は私たちがあの立場になると思うと…

「先輩」

ふいに後ろでショッピ君の声がした。
かがんで私の顔をのぞきこんでいたので
ギョッとして飛び退いた。

「なに猫みたいな反応してんすか」


サッカー部のユニフォームを着ているから
部活中なのかな?

毎回部活中に抜け出してきてないかこの後輩は

「ショッピくん ひ、久しぶり〜」

あの水族館のお出かけ以来なんとなく
気まずくて私は彼を無意識に避けていた。

というかあんな濃厚なキスされて告白
されたらそりゃ気まずいわ!!

「はやく告白の返事くださいよ
待ちきれませんて俺」

……………あ、そうだった。

私はあのあと「今度返事するから」と言い訳し
あの状況を打破したのだった。

正直な話、ショッピくんとは良いお友達でいたい。
でも彼にドキドキしているのもまた事実で……

「先輩どうなんです?
……俺のこと好きなんすか?」

「………き、嫌いではないかな〜…」

嫌いではない、
ショッピ君は学校内でも比較的心を
許している人間の一人だ。

一緒にいて落ち着くし、……好きだ

でも恋愛感情なのかは
まだ恋愛に対して未熟な私には分からない。

「俺、真剣なんすけど」

彼の視線は私に一直線で
そらすことなんてできなかった。

「先輩、俺のこと嫌いなら
はっきり言ってください
……俺も諦めがつきます」

捨て猫みたいな彼の寂しげな瞳は
私を掴んで離さない。

「ショッピくんは優しいし……好きだよ?
でも恋愛的な意味だとやっぱり
分からないや……ごめんね……
私こういうの初めてなの……」

ひとりごとのように呟いて、
私は唇を噛んだ。

(いやだ……このもどかしさ……)

ショッピ君はついに目をそらした。

「……わかりました」

ショッピ君の平坦な声が
いつもよりも苦しく感じて、
胸がキュッと締め付けられる。

うまく返事ができない自分を呪った。

「1個だけお願いしてもいいですか?」

「?なに?」

「Aって呼んでもいいですか」

「……?いいけど……なんで?」

私が聞くといつもみたいにショッピ君は
感情を読み取れない表情で、でも
少しニヤッと笑い人差し指を口に当てた。

「秘密です」

体育祭1→←2



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脅威のセラフ - これ、WTの皆様と幼馴染だったら嬉しい! (2020年7月11日 16時) (レス) id: 285d3eca52 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 根回ししますのところ、発声が発生になってるっすよ (2019年10月15日 18時) (レス) id: 6405eb1fb4 (このIDを非表示/違反報告)
狂猫 - 名前ありさにしてたんでアリサちゃんとか出たのビビりましたww (2019年9月8日 17時) (レス) id: 7d56b5cd53 (このIDを非表示/違反報告)
きらり(プロフ) - るいさん» コメント、リクエストありがとうございます(^^)実はちょうど書きたかった話なので書かせていただきますね! (2019年8月25日 0時) (レス) id: caac3973be (このIDを非表示/違反報告)
るい - 主人公のメガネ取った姿を見たいです (2019年8月24日 21時) (レス) id: 4461d627b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きらり | 作成日時:2019年8月14日 8時

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