すやすや ページ19
「こんにちは〜……」
恐る恐る生徒会室のドアを開く。
「おぉ、Aか」
今日は珍しくトントン先輩しかいないようだ。
大抵グルッペン先輩もいるのだが
(書類仕事から逃げようとするので毎回
トントン先輩に捕まっている)
形だけ私用のデスクを作ってくださったので
そこで私も作業をする。
慣れない手つきでキーボードを叩き、
ひとまず書類は完成した。
完成したものはトントン先輩に検閲してもらう。
「Aも仕事早くなったな、将来有望やで」
トントン先輩は疲れた顔で笑った。
目元に濃いくまができている。
机の周りには空のエナジードリンクのボトルが
散乱しており、「社畜」というワードを連想させる。
先輩はいつもそうだ、
仕事を過多に引き受けその上質も追求する。
勿論先輩は要領がいいので難なくこなすが、
多忙な生徒会はいつも仕事が絶えない。
間近で見ていて思うがこの人の原動力はなんなのだろうか。
「あの、先輩」
「ん、どした」
「疲れていらっしゃるご、ご様子なので
私にできることがあれば…な、なんでもします！」
トントン先輩はしばらくうつろな目をこちらに
向けていたが、眉間を押さえて
「じゃあ、ちょっと寝たいから
膝枕してくれんか……？」
！？
「ひ、膝枕ですか……！？」
「あ…嫌だったらいいけどな」
「い、いえ…！私の膝で宜しければ
いくらでもお貸ししますが……！」
そう言って私は応接用のソファに座り
「ど、どうぞ！」と構えた。
先輩は「なんやその構えは」と小さく笑い、
私の膝に頭を置きそのまますぐ寝込んでしまった。
相当な睡眠不足だったようだ。
トントン先輩の目元のくまをそっと撫でた。
サラサラの黒髪が乱れて私の膝に流れる。
吐息が膝にかかりくすぐったい。
たった1年しか違わないのにこの人は
寝る間も惜しんで仕事に励んでいる。
私が悩んでいればすぐ助け船を出してくれたり
気遣いだって大人顔負けだ。
でもまだ学生、
先輩だってしんどいときはしんどいし
こうやって誰かを頼ってほしい。
トントン先輩の整った顔を見つめていると、
急にパチッと先輩の目が開いた。
しばらく見つめ合い、沈黙が流れた。
心臓がドキドキして、顔が赤くなるのを感じた。
「A…これはどういう状況や？」
「ひ、膝枕をしてます……」
「……すまん」
先輩は何も覚えてない様子で、顔を押さえた。
耳元がすこし赤くなっていたのはきっと私の見間違いだろう。
＊
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脅威のセラフ - これ、WTの皆様と幼馴染だったら嬉しい！ (2020年7月11日 16時) (
レス) id: 285d3eca52 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 根回ししますのところ、発声が発生になってるっすよ (2019年10月15日 18時) (レス) id: 6405eb1fb4 (このIDを非表示/違反報告)
狂猫 - 名前ありさにしてたんでアリサちゃんとか出たのビビりましたww (2019年9月8日 17時) (レス) id: 7d56b5cd53 (このIDを非表示/違反報告)
きらり(プロフ) - るいさん» コメント、リクエストありがとうございます(^^)実はちょうど書きたかった話なので書かせていただきますね！ (2019年8月25日 0時) (レス) id: caac3973be (このIDを非表示/違反報告)
るい - 主人公のメガネ取った姿を見たいです (2019年8月24日 21時) (レス) id: 4461d627b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きらり | 作成日時：2019年8月14日 8時
