【stxxx】王子様方、僕男です。【男主】

ジェル先輩 ページ33

Aside







降りて来たのは、最近会えていなかったジェル先輩


『なにしてたんですか、ジェル先輩...?』

「昼飯食いながら、此処で足あやとりしとった」

『あかね先輩にまた怒られますよ』


意図せずいつもより低いトーンで言うと、先輩は瞼を大きく開いて

「なにかあったん...!?」


と直球的に聞いて来る


『どうして、そんな事聞いてくるんですか?』

「いやぁ、綾瀬君はいつも礼儀正しいし口調が柔らかいからなぁ」


頭を掻き、手に持っていたパイナップルの最後のひと口を頬張ったジェル先輩


『...ご心配ありがとう、ございます
　まぁ、色々ありまして』

あやふやに伝え、僕もカレーパンを頬張ると




次の瞬間思いも寄らなかった言葉が、彼の口から飛び出した。







「あぁ、昨日の放課後のやつやね
　校舎裏の」

『んぅ゛ッ...!?』



吃驚して、パンの欠片が喉奥に詰まる


「いやぁ...昨日の放課後、遠井さんと逆立ちかくれんぼしてたら
　偶然見てしもうて
　ホント、見る気はなかったんよ」

パンをしっかり飲みこみ口を開く


『因みに、どのあたりから...?』

そう聞くと、先輩は顎に手をやって


「んーーっと、《あら、覚えててくれたんですか?
　私てっきり貴方はさとみ君以外どうでもいいのかと》のあたりからやな」

笑顔で答える。

『序盤の方からじゃないですか!?
　ってかその声何処から...?』

「あぁ、結構練習したから上手いやろ」




自信満々のドヤ顔で聞いて来る彼


...すいません先輩

僕から聞いたのでなんですが、正直興味ないです。






「つまり、近づきすぎー!って忠告されたんやな...?」

『...はい』


すると、数分考え込む先輩




「えぇ〜?別に良いよなぁ、
　男同士の友達の距離って案外近いモンやし」

『そう、ですか?
　...ありがとうございます。』





その言葉で、少し気が楽になった気がした

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