【stxxx】王子様方、僕男です。【男主】

あかね先輩と奇行種 ページ16

Aside







次の日、6校時の授業がすべて終わってから昨日と同じくまた部活見学に向かう

教室を出ようとした時、全力でさとみ君に止められたが笑顔で振り払って逃げて来た。


なんであんなに絡んでくるんだ...?

嬉しいけれども




悶々と考えながら体育館までの道のりを歩いていると



廊下の曲がり角で急いで走っていた誰か(・・)にぶつかってしまう。




その人物は沢山のスポーツドリンクを運んでいた様で、ペットボトルが複数の音を立てて落ちる

腰を摩ってから床から立ち上がり、ぶつかってしまった人に手を差し伸ばす



『ごっ、ごめんなさい!僕ちゃんと前見て歩いてなくって
　怪我とかしてないですか、立てます...?』

未だに座り込んでしまっている人に話しかけた


「いえ、全然いいのよ
　私も前を見ていなかったしお互いさまよ」


よく見てみると首元に締めてあるネクタイは緑、スカートを履いている。


「部活が始まるから急いで走っちゃっててね」


淡々と言葉を紡ぎながらペットボトルを拾い始める先輩

それにつられて僕も拾うのを手伝う



「私はあかね、バスケ部のマネージャーよ」


全部のペットボトルを拾い集め、運ぶのを手伝いながら自己紹介を始める



「見ない顔だけど、もしかして転校生の子...?
　噂で聞いたわ」

『はいそうです、昨日からこの学院の生徒になりました。
　綾瀬Aと言います』

「綾瀬くんね、もしかしてうちの部活に見学に来てくれたの?」

『はい、一応見てみようかなって』


体育館の扉の前まで来て、ボトルを一旦下してからドアを開けた


扉を開いてから僕の眼球に映った光景は




逆立ちしながら足でバスケットボールを蹴ったり足の裏に置いたりしているオレンジ頭のイケメン(奇行種)



あかね先輩もその方の姿を見た様で、わなわなと震えてその方の元に向かう



「コラ゛ァア...!ジェルゥ゛
　休憩時間だからって何遊んでんねん?!」

「えぇえ...?別に良くない?」


頬をポリポリと掻き、全く反省していない様子の奇行種


「はぁ...今日は見学の子来てるからしゃんとしなさい」

「ええ゛...!?マジでェ!」


瞳をキラキラとさせ、僕を見つけた途端リニアくらいの速さで此方に来たジェル?ジャル?さん



「君のような子を待ってたんだ!
　ぶつかってペットボトルを落とした遠井さんを助けてくれるような...!」

「おい、なんでお前知ってるんだよ
　見てたんなら助けろよ」


変わった...人だなぁ...。

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