【MS.SP】短編集2 (ページ37)

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破顔一笑【F】※設定お借りしました-１ページ37

そまふ様の作品、【歌い手/実況者】○○さんが○○になったようです。より、『FB先生』のネタを頂きました。許可も取ってあります。
殿堂入りもしている作品だよ！
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Side:You

「だからぁ、主人公がどんな心境からこういう行動したのかって事が分かる文を見つければ良いんだよ」
陽光が差し込む教室に、大きな声が響き渡る。
黒板の前に立ってそう話す彼は、私達3年6組の国語を担当する吹雪先生。通称ふぶ先生だ。

ふぶ先生がこの学校に来た新任式の日、彼は全校生徒の前で噛み倒した。とんでもない噛み方に、皆がざわざわしていたのを今でも覚えている。
まぁ、その噛みも、今はもう先生のアイデンティティとして浸透している。
声が大きくて笑声は独特で、未だに噛み倒して皆の笑いをさらうし、語彙力が悪い意味で爆発して説明が分かりにくい事だってある。あと、字が汚かったりもする。

⋯⋯でも、そこさえも、ふぶ先生は魅力に変えてしまうんだ。

声が大きい事で教室の隅々にまで声が響くし、最初は鬱陶しいと感じる人もいるかもしれない笑い方でも、その鬱陶しさはいつの間にか安心に変わってる。『ああ、ふぶ先生の笑い声だ』みたいな感じで。

噛みだって、バリエーションが豊富過ぎて、飽きない。
それに、「吹雪先生と言えば噛み」という認識は、学年どころか学校中に知れ渡っている。そりゃそうだ。全校生徒の前で、とんでもない噛み方したんだし。

分かりづらい説明をする事もあるふぶ先生の語彙力は、良い意味で爆発する事だってある。国語のテストの例文とか問題文とか、なんか凄いの。私の語彙力が悪い意味で爆発してるけど。凄いの。
ふぶ先生の性格が明るいっていうのもあって、「説明が分かりづらかったり、字が汚かったりする」のはご愛嬌。
ヤバい。やっぱり、この人の授業めっちゃ面白い(語彙力)

「この作者はねー、だからぁ、登場人物の気持ちを情景描写で表す癖があるんだよ」
お、ふぶ先生の口癖。「だからぁ、」もそうだけど、その「だからぁ、」の位置がたまにおかしくなるのが先生の癖だ。
「例えば、ここ。『少女は俯いた。彼女の頭上には、灰色の曇天が広がっている。』ね。まぁここは分かりやすいと思うけど。
灰色って事は、少なくとも軽い雰囲気じゃないよね。そんな感じで⋯⋯」
ふぶ先生の賑やかな声が、今日も響いた。