【MS.SP】短編集2 (ページ35)

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新しい灯火を【E】※中途半端ですページ35

『初日の出。Aと、見に行きたい』
えおえおの言葉が始まりだった。

新しい年が幕を開け、新年の挨拶もほどほどに、2人は準備を開始した。初日の出を見に行く準備だ。
防寒の上着やズボンを着て、カメラを用意する。眠ってしまわないようにドリンクを飲んで、ペット達の為に暖房を調整し、「行ってきます」と鍵を閉めた。

「カイロ持ってきた？」
「持ってきた持ってきた。ほら、あったかいよ」
ガサガサと振ってポケットに入れておいたカイロを、ハンドルを握るえおえおの手にそっと当てる。
「おおホントだ、あったかいな」
はは、と笑うえおえおのポケットにカイロを潜らせる。
「ありがと。めっちゃあったかいわ」
「いえいえ。喜んで頂けて何よりだよ」

「わー、まだ暗いね」
初日の出スポットで有名な岬に到着し、車を降りる。A達以外にも何人か人がいた。一様に、スマホやカメラを持っている。
皆、綺麗な新しい朝日を写真に収めたいのだろう。

「この辺にいようか。人も少ないし」
「そうだね、あ、はいカメラ」
「さんきゅ」

辺り一面がオレンジで彩られ、思わずため息が漏れる。
「⋯⋯きれい」
「⋯⋯そうだね」
綺麗。そうとしか形容出来ない。この景色を言い表せる様な語彙力が欲しい、それをえおえおと共有したいと切に願うが、その願いは叶わないままで良さそうだ。
何故なら、えおえおも海の向こうの橙に目を奪われている様子だったから。

「⋯⋯えおえお。カメラは良いの？」
えおえおは失念していた、とでも言うように「あ」とぼやいた。彼は一眼レフどころか、スマホすらも撮る準備をしていない。
ブログのネタにも必要だろうに、良いのだろうか。

「⋯⋯良いや。今度のブログの写真は、クロエにでもしとく」
「良いの？」
「うん」
＿＿今は何より、Aとのこの景色を目に焼き付ける方が大事だよ。

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もう完成させられないので、もうこのままあげます。新年でも変わらぬ無計画っぷり!!
そして今日は2日!!初日の出とは一体!!