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理由【MSSP】※軍パロ-2 ページ15

「えふびーさーん」
「あっ、Aさん!」
Aを見つけるなり、FBは大口を開けた。⋯⋯そのサングラスは真っ赤に染まり、垂れた指先からも血がぽたぽたと流れている。
「あっ、大丈夫ですよ!?隊長の方が重症ですから!」
「いやそんな問題じゃなくて。FBさんも十分重症ですから。えおえおさんどこですか」
「あー⋯⋯隊長は多分トイレじゃないっすかね」
「FBさん以上の怪我で!?」
「よくある事です」
マジかよこの人達化け物かよ、と、驚きや呆れを通り越してもはや舌を巻くレベルである。
ひとまずえおえおを見つけ、あろまの元へ連れていかなければならない。
「FBさんは先にあろま先生の所へ行ってて下さい」
「嫌です」
即答だった。えおえお達の部屋がある棟へ向かおうとしていた体を捻り、FBを見る。
「なんでですか」
「隊長と一緒に行きたいからです」
「え、理由それ?」
今度こそ呆れを感じる。そのせいで、敬語も外れてしまった。何この人、隊長大好き過ぎない?

しかし、このままグズグズしていては、トイレに行った(のかは定かではないが)えおえおも、隊長と行きたいと子供の様な駄々を捏ねるFBも、治療が遅れてしまう。
仕方ない、一緒に捜す事にしよう。


「⋯⋯FBさんは、なんで軍に入ったんですか?」
えおえおの居場所をその辺を歩いていた人に尋ねたり、部屋を覗いたりしながら、Aは問いかけた。
彼らを治療した事もない新参者の自分が聞くのは失礼ではないかとも思ったが、それ杞憂に終わった。
FBはうーんと唸り、僅かに首を捻る。
「俺、隊長と先生、んでジェネラルとも出身地が同じなんです。それは知ってるでしょ?」
「はい」
「昔からよく遊んでました。戦争もまだなかったし、平和でしたよ」
隊長ー、なとその名前を呼ぶその合間に話してくれる。
「その時から隊長、よく怪我してたんです。あ、この人めっちゃ危なっかしいなとか思ってました。
俺、そん時からえおえおの事慕ってたんで、えおえおが軍に入るって言った時に、『俺も入る』って。『怪我したら誰が治療すんの』って」
だからまぁ、とFBは、昔を懐かしむ様に微笑んだ。

「昔の仲間と一緒に生きて、ソイツらと共に戦いたい。そんで、ソイツらが死なない様に見張っててやりたい。そんな感じですかねぇ」

大きくて薄い唇を柔らかく緩めながら、答えてくれた。

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作者名:玉ねぎプリン | 作成日時:2018年8月5日 21時

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