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ユニホームに着替え、試合前の準備を進める選手達の傍らで、一足早く用意を終えた澤村からの問い掛けにより、鷹石は彼と戦略の確認を行う。
『――と、大まかにはこれくらいですかね。あとは状況見て繋心くんか影山が対応すると思いますが…試合経験は影山の方があるとはいえ、まぁいろいろバ、単細胞気質なので、そこは澤村さん達がカバーして頂ければと思います』
「うん…(今バカって言おうとしたな…)」
『一応コレ渡しておきますね』
無表情のまま淡々と言い直した鷹石に苦笑を零す澤村へ、彼女は荷物からノートを手渡す。
受け取ったノートの表紙へ視線を落とし、澤村は鷹石がベンチマネージャーとしてではなく控えとして、この予選に臨むのだということを改めて実感した。
「……」
清水に不満がある訳では決してない。
彼女は今まで自分たちを一人で支えて来てくれた大切な仲間である。
けれど。
―清水から聞いたよ―
―?―
―ベンチマネージャー―
―あぁ。はい、僭越ながら―
―理由、聞いてもいいか?―
―…私は一応メインの仕事がトレーナーなので、マネージャーの仕事にはまだ慣れていません。澤村さん達の最後の試合で、万が一不手際があってはなりませんから…―
―…そっか―
ヘラリと眉を下げて笑った鷹石を前に、澤村は直感的に嘘だと思った。
清水からは鷹石は仕事の呑み込みが早いと聞いていたし、実際、彼女のマネジメントは無駄な行動がひとつも無いように澤村は感じている。
日向からも「ラクって基本何でもすぐに出来るんですよ！サッ！シュッ！って！」と、何の話だったかそう言っていたのを覚えている。
そんな鷹石が、嘘を吐いてまで、清水の頼みを断ってまで、ベンチに座らない理由は――…
「そんなワケないじゃないじゃないですかっ」
『あ』
「！」
日向と鷹石の声にハッと意識を戻して彼女へ目をやると、荷物を漁って見慣れた黒のサポーターを取り出していた。
『すみません、翔陽のサポーター渡し忘れていたので渡してきますね』
「あ、あぁ、うん」
『失礼します』と軽く一礼をして、何故か単細胞組と菅原に囲まれている日向へ向かって歩を進める鷹石の背中から視線を外し、澤村はいつかの烏養のように「(どうしたものか…)」と深く息を吐いたのだった。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月20日 23時) (
レス) @page27 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
シャノ(プロフ) - ひゃー！続編おめでとうございます！！ソーカ先生の作品大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年6月1日 19時) (レス) id: b2bfb3614c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーカ | 作成日時：2020年6月1日 14時
