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――仮に。
もし仮に、私がベンチに座ったとして。
勝てる保証なんてない。
それは清水さんにも言えること。
どれだけ凄い選手が居ようと、優秀なサポーターが付いて居ようと、この世に勝利が保証された試合など一つもないのだ。
なら当然。
当然だろう。
私が居ていい場所じゃない。
あの席は――
今まで培ってきた
―おはよう、楽乃ちゃん―
支えてきた
―そんなことないよ―
貢献してきた
―また明日ね―
私と違って、努力してきた。
――清水さんのものだ。
ぽっと出の私が、彼女の二年間を奪っていい理由なんかどこにもない。
選手ならまだしも。
マネージャーは、あの席は、強い弱いで決めて良いものじゃない。
―また"逃げ"か?―
『……』
芯を入れ替える気が萎えた。
折れた芯を床へと払い落とし、別の筆記具を取り出す。
『(…バーカ、バーカ…)』
IH予選―二週間前。
最近ずっと、精神的に調子が悪く
『(早く、昼になんねーかな…)』
そして何故か、無性に、翔陽に会いたくなる今日この頃。
――きっと私は、安心したいのである。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月20日 23時) (レス) @page27 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
シャノ(プロフ) - ひゃー!続編おめでとうございます!!ソーカ先生の作品大好きです!これからも頑張ってください! (2020年6月1日 19時) (レス) id: b2bfb3614c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソーカ | 作成日時:2020年6月1日 14時