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「うおおお…！体育館でけー！」
体育館を覗き見て、日向は高揚感から身体を震わせた。
大勢の会場スタッフやバレーボーラーが行き交う館内を前に瞳を輝かせ、スンスンと鼻を鳴らして。
「エアーサロンパスのにおいっ…！」
『また言ってるよ…』
犬のように鼻を鳴らす日向を隣に鷹石は苦笑を零す。
日向を挟んで反対隣に立つ影山が「何言ってんだオマエ」と不可解そうにオレンジ頭を見下ろした。
「このニオイって"大会"って感じすんだよ」
「わかる！」
『(わかるんだ…)』
嬉しそうに日向に同調する西谷の感性は、どうやら日向と重なる部分があるらしいと鷹石が気づいたのは最近である。
ちなみに彼女は日向と西谷とは違う感性の持ち主であった。
『？……』
西谷へ向けていた視線をふと上げると、そこには何処か硬い表情の東峰が、何かに思いを馳せるように館内を見つめていた。
緊張だろうか、そう鷹石が思考した刹那、彼女の脳裏に烏養の言葉が過ぎる。
―伊達工には確か
今年の3月の県民大会で2ｰ0で負けてるな―
それは予選の組み合わせが発表された当日。
烏養の言葉を聞いた瞬間、鷹石は東峰が休部していた原因が"そのこと"であると察した。
『(何か、言った方がイイのかな…一応、トレーナーだし……でも――)』
キュッと荷物の肩紐を握って、鷹石は東峰から視線を逸らす。
『(私じゃダメだろ…)』
彼と同じような境遇に立ったことなど無い。
ましてや、エースとしての重責を背負った瞬間も。
"一度負けたら道が途切れる"
そんな場所で負けたことすらないこんな自分の言葉にはきっと、何の力も備わってなどいないのだ。
「うわっ、こっちからも来たっ」
「ゲッでかっ」
「！」
『？』
周りの声を拾った隣のオレンジ頭が動いたことで、鷹石は思考から意識を戻して振り返る。
そこには此方を射抜くように真っ直ぐ見つめる白髪の大男を先頭に、目の前で足を止めた威圧ある集団。
鷹石は静かに先頭に立つ大男のジャージ、その左胸元の文字へ視線を移した。
「伊達工業だ…!」
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月20日 23時) (
レス) @page27 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
シャノ(プロフ) - ひゃー！続編おめでとうございます！！ソーカ先生の作品大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年6月1日 19時) (レス) id: b2bfb3614c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーカ | 作成日時：2020年6月1日 14時
