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余談だが、僕と彼女は所謂『恋仲』である。
「出久くん、どうぞこれを…」
スっと差し出された巾着袋を供物のように掲げる彼女に苦笑してそれを受け取ると、ビシッとそれはそれは綺麗に背筋を伸ばした。
「あぁの、私っ父子家庭で育ったと言っても料理は時々やるくらいで！あとはおばあちゃんのお手伝いとか些細なことしかしていないのでッ、本当に大したものではないのであしからずというかっ、今どきの女子高生みたいなキラキラおカズなんか作れないしっ、煮物とか唐揚げとかそういう所謂『茶色弁当』みたいなモノしか…
ってもう食べてます？！」
緊張から視線を右往左往に動かす彼女を横目に口を動かす。
何やら色々自信なさげに気にしているようだが、結局は彼女の言う『茶色弁当』が一番ご飯に合うという事実に何ら変わりはないのだ。
勿論、美味しい。
胃袋完全に掴まれた。ご飯も進む。
「美味しいよ。ありがとう」
「！はいッ」
ああ、幸せだ。
「ふふっ、私今とっても幸せです。ありがとうございますいずンッ！」
僕からもありがとう。
中学生活初日のあの日、
勇気を出して声をかけてくれてありがとう。
無個性だというだけで馬鹿にするクラスメイトへ、
言い返してくれてありがとう。
無個性で誰よりも弱かった僕を、
変わらず受け入れてくれてありがとう。
僕の夢を『カッコイイ』と言ってくれてありがとう。
結局、
一緒にヒーローになることは叶わないけれど、
君が僕の『相棒になりたい』
と言ってくれた時は
すごく嬉しくて泣きそうでした。
こんな僕を『君のヒーロー』にしてくれてありがとう。
好きになってくれて、ありがとう。
そして、
「ッ!ココ外ですっ」
「僕も幸せです」
「話聞いてます?!」
生きてくれて、ありがとう。
「大好きだよ」
僕のヒーロー。
【伝えれば、生きる希望。】END
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絵音(プロフ) - すごい好きです。主人公と 出久くんの本音を言い合うところとかほんのに好きです。素敵な物語を読ませてくれてありがとうございます…ッ！！！ (2019年5月22日 23時) (
レス) id: 740c8210f3 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 凄くあったかい良いお話でした！生きて欲しいと説得？してるところとかもう涙が止まらず泣きながら読みました！素敵なお話を有り難うございます！ (2019年2月19日 23時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーカ | 作成日時：2019年2月14日 14時
