14 ページ14
「ですが、先日聞いた爆豪くんの人材派遣についてのお考えは、轟くんのお父様であるエンデヴァーの事務所方針にも似た考えが組み込まれています。
聞けば轟くんの一年次の職場体験先はエンデヴァーの事務所とか。
実際に見た事務所内の様子や組織構造について実りあるお話が聞けるかと」
「っ…」
「爆豪くんの一年次の職場体験先はベストジーニストと聞きました。
当時のNo.4とNo.2の事務所経営が比較できる此度の機会は、将来独立する上では、お互いまたとない有意義な時間となり、引いては今後の職場体験にも活かせるはずです！どうですか？爆豪くん！」
「だあああッ！わーったよ！！そんかわりお前替え玉付けろよクソ女！」
最終的に、今回もかっちゃんが折れたらしい。
ぐしゃぐしゃと彼女の頭を山姥ヘアへと変えたが、案の定、彼女はそんなの何のその。
微塵も気にならない様子で喜びの声を上げていた。
「激辛ラーメンセットですね！喜んで！」
「喜んでんじゃねーよ！！」
だから近いってば！
「お前言ってる事めちゃくちゃだぞ」
「うっせえクソ半分野郎！！」
「轟くんは何を食べます？」
「いや、俺はいい」
「何を仰いますか！私から誘わせていただいたのですから！好きな物を頼んで下さい！」
「いや…でも…」
「おい、コイツには蕎麦用意しとけ。ザルな」
「お蕎麦が好きなんですか？」
「あぁ。でも奢ってもらうのは…」
「大盛りにしておきますね！」
「……並盛で良い」
「そうですか？」
「おう」
「わかりました！」
かっちゃんがどこか『ざまぁ』という顔で、轟くんを見て鼻で笑っていた。
因みに今のやり取り、彼女が確信犯であることに気づいているのは、たぶん僕とかっちゃんしかいない。
「ありがとうございますお二人共！とっても嬉しいです！」
ギュッと二人の手を握る彼女はきっと、また満面の笑みを浮かべているのだろう。
彼らの表情から察するに。
…ああ、これでかっちゃんに加えて轟くんまで絆されるのは時間の問題だな…。
うーん、彼女に友達ができるのは喜ばしいことこの上ないのだが…何とも複雑な気持ちだ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵音(プロフ) - すごい好きです。主人公と 出久くんの本音を言い合うところとかほんのに好きです。素敵な物語を読ませてくれてありがとうございます…ッ！！！ (2019年5月22日 23時) (
レス) id: 740c8210f3 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 凄くあったかい良いお話でした！生きて欲しいと説得？してるところとかもう涙が止まらず泣きながら読みました！素敵なお話を有り難うございます！ (2019年2月19日 23時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソーカ | 作成日時：2019年2月14日 14時
