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凍った布に触れて元の布切れに戻す解構。
「焦凍くんもあんがとな」笑顔でポーチを受け取る彼に、轟は短く答える。
ゆっくりと上体を起こした水揮へ、切島が声をかけた。
「大丈夫か？」
「ああ、綺麗に創ってくれたからな。問題ないよ」
脇腹を摩る水揮の言葉通り、そこには先程の傷が嘘のような色白い肌があった。
「うわ…マジでなくなってる…」
「すげぇな…」
「……」
食い入るように見つめる彼らに「解構の個性だからな」と水揮はいつものように言葉を紡ぐ。
が、如何せん傍から見たら異様な光景だ。
テーブルに座る、破れた服を身に纏った女の腹を、男３人が見つめているのだ。
荷物を片した解構は振り返った先の、その光景に失笑を堪えた。
そっと３人の背後に近づいて。
「いっやーん、御三方のエッチー」
『！？』
「ブッフォ！」
「？」
バッと同時に振り返った彼らに、解構の堪えが限界を迎えた。
腹を押さえて爆笑する解構へ、爆豪が怒号を飛ばす。
切島は羞恥に顔を僅かに染めて、水揮へ違うと弁明するが、あまり効果は無い。
「…切島、何故そんなに焦っているんだ？」
「えっ」
「君の言っている事は要領を得ない。つまりは何を伝えたいんだ？何かを否定してることは解るが…それと『そういうんじゃない』ってなんだ？もう少し具体的に言ってほしい」
見ないようにと忙しなく動いていた切島の視線が、水揮の晒された肌に移り、そろりとそれが上がって。
「おい大丈夫か？」
「いや、うん…ごめん…空無…」
ヘナヘナと顔を両手で覆って蹲った切島に、水揮は首を傾げる。
何故切島が謝ったのか、それは彼のみぞ知るというやつで、水揮は一生知ることはないだろう。
「切島はどうしたんだ？轟焦凍。怪我でもしてるのか？」
「…いや、まぁ…放っといてやれ…。取り敢えず怪我は無ぇから」
「そうか…」無表情で告げた轟へ返す。
いつの間にか怒号に爆破音も加わり、一層騒がしくなった爆豪の攻撃を、ヒョイヒョイといつかの水揮宜しく、軽快に避ける解構を横目に映してから、水揮は再び轟へ顔を向けた。
「そういえば、えっちー？ってなんだ？」
「あと、いけめん？も」と付け加えた水揮から、轟がそろりと視線を逸らしたのは言うまでもない。
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作者名：ソーカ | 作成日時：2018年5月22日 23時
